問題を分析し、慎重に解決策を練ったとしても、その解決策は「未来」に作用するものであり、常に“不確実性”を伴います。解決策そのものが、新たな問題を生み出すことも珍しくありません。解決策を実行に移せば、そうしたマイナスの影響が現実のものとなります。

 そこで、実行の前段階でどのようなマイナス影響がありえるのかを把握し、事前に対策を講じておくことによりその影響を最小にする必要があります。これがリスク管理の考え方です。

 プロジェクトを通じていかにリスクに向き合えばいいのか、今回はリスク分析を含むリスク管理について説明します。

リスク管理の対象を知る

 プロジェクトにマイナスの影響を及ぼすリスクは、情報の性質によって二つの種類に分類できます(図1)。まったく情報がなければ、リスクの存在そのものを知ることができません。これが「未知の未知」の世界であり、完全な不確実性です。一方、情報がある程度存在し、「起こるかどうかは分からないが、起こるかもしれない」ということが分かっているものは「既知の未知」です。リスク管理は、この「既知の未知」の領域が対象となります。

図1●プロジェクトにマイナスの影響を及ぼすリスクは二つに分類できる
ドラガン・ミロセビッチ著「プロジェクトマネジメント・ツールボックス」(鹿島出版会)を参考に作成
[画像のクリックで拡大表示]

 具体的に、リスク管理は、

STEP1 リスクの識別
STEP2 リスクの評価
STEP3 リスクの予防と発生時の対策

という3ステップで進めます。以下、順番に見ていきましょう。

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