ITベンダーが常時雇用する人材を客先に派遣する「特定労働者派遣」制度が、2015年にも廃止される。厚生労働省は2014年1月下旬に召集される通常国会で、特定労働者派遣の廃止を含む「労働者派遣法」の改正案を提出する最終調整に入った。労働者保護の観点から改正案は今国会で可決される公算が高く、早ければ2015年にも改正労働者派遣法が施行される見通しだ。

 厚生労働省が示す派遣法改正案の肝は、特定労働者派遣と一般労働者派遣の区別を無くし、許認可制の新制度に移行することだ。新制度の条件は国会などで詰めていくが、現在の一般労働者派遣と同レベル以上の条件が課せられそうだ()。例えば、人材を派遣するには労働局に申請し、許可を得る必要がある。派遣元企業の事業資金や事業面積に制限があるほか、3~5年に一度の更新手続きも必要になる。

届出制から許認可制へ変わる
図●特定労働者派遣の現状と改正後の主な違い
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 厚生労働省の富田望職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課長は、「現在の一般労働者派遣の申請・更新条件よりも厳しくなるだろう」と説明する。派遣する技術者のキャリアアップ支援策を義務化したり、その研修制度や推進体制なども許認可の際のチェック項目になるとみられる。

 システム部門やITベンダーにとって、今回の派遣法改正案のインパクトは大きい。多くのシステム開発・運用プロジェクトが、現在の“ゆるい”特定労働者派遣制度の上に成り立っているからだ。IT技術者を常時雇用していれば、ITベンダーは労働局に届出が受理された時点で即日、人材を派遣できるようになる。一時的にIT技術者の頭数をそろえたり、自社の余剰人員を他社に派遣して手軽にキャッシュを稼ぎ出す方策として、特定労働者派遣制度が使われることは少なくない。

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