勘定系システムの開発中止の責任を巡り、スルガ銀行が日本IBMに約116億円の支払いを求めた裁判で、上告審における両社の主張が明らかになった。「ITベンダーはユーザー企業に対し、必要に応じてプロジェクトの抜本的な見直し、または中止を提言する義務を負う」。東京高等裁判所がITベンダーに課した新たな義務の是非が、最高裁判所で争点の一つになりそうだ。

 東京高裁が提示した新たな義務とはどのようなものか。過去2回の判決をひもときながら説明する(図1)。

図1 上告審におけるスルガ銀行・日本IBMの主張
互いに「第二審の判決は不当」と譲らず
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 スルガ銀-IBM裁判では、システム開発においてITベンダーが負う義務を指す「プロジェクトマネジメント(PM)義務」の解釈が、判決を左右する大きなポイントとなった。

 東京地方裁判所は2012年3月、プロジェクトの企画・提案段階で、勘定系パッケージ「Corebank」の機能検証が不足していたことが、日本IBMのPM義務違反に当たるとして、日本IBMに約74億円の支払いを命じる判決を言い渡した。一方で東京高裁は2013年9月、日本IBMのPM義務違反は、パッケージを選定した提案・企画段階ではなく、要件定義を経て両社が最終合意書を交わした段階で起きたとして、賠償額を約42億円に減額する判決を下した。

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