発想力強化はビジネスパーソンの永遠の課題だが、「イノベーション」の重要性が声高に唱えられるようになった最近は、さらに拍車がかかっているようだ。新商品や新規事業などの企画に携わる人はもちろん、営業なら「他社とは違う視点で顧客を引きつけるアイデアを生み出したい」、オペレーションの担当者も「従来の踏襲に終わらず、抜本的な課題解決をしたい」といった理由で、発想力を鍛えたいと考える人が増えているのではないだろうか。

 過去10年ほど、日本企業では思考法としてロジカル・シンキングを重視してきた。ロジックツリーなどのツールを活用して、課題の分解、構造化を行うものだ。しかしロジカル・シンキングの問題は、出発点で課題やゴール設定を誤ると成果が出ないこと。例えば凡庸な成果しかゴールとして想定できなければ、実現までのプロセスを緻密に構築しても意義は薄い。

 ロジカル・シンキングが左脳型で連続的な思考プロセスによるものだとすれば、非連続な右脳型の思考法はラテラル(水平型)・シンキングと呼ばれる。過去の踏襲に終わらない、言ってみれば「ぶっ飛んだ」発想を生み出すためのものと言える。

 私が数年前から普及に携わっている「アニマル・シンキング」は、ぶっ飛んだ発想を形に出来るよう、ロジカル・ラテラルの長所を兼ね備えた手法である。

 イスラエルで開発され、様々な視点からの発想を可能にすることで、創造的な課題解決を目指す。大手企業を中心に、幅広い業種や職種で採用されている。この特集では、アニマル・シンキングの特徴や、ビジネスでどう使うべきかについて解説していきたい。

視点が増えない、イメージが刺激されない

 アニマル・シンキングの話の前に、まず企業などでよく使われる発想法を整理してみよう。採り上げるのは「ブレーンストーミング」「チェックリスト」「アナロジー、メタファー(例え)」の3タイプである(下の表)。

発想法
概要
メリット
デメリット
ブレーンストーミング 付箋紙などに自由に意見を書き出し、質問し合って切り口を増やす 制約条件が無いので自由に発想できる 発想する“きっかけ”が無いので、アイデアがたくさん出ない
チェックリスト 発想のきっかけになる単語をリスト化して発想を促す 発想の切り口が体系化されていて抜け漏れが少ない 刺激剤が文字情報に限定され、想像力が膨らみにくい
アナロジー
(メタファー)
「仮に●●のようだったら」と例えを使って発想を広げる 具体的に存在するものに例えるのでイメージしやすい 例えとして使うキーワードが分かりにくいと議論が活性化しない

 最も一般的なのはブレーンストーミング(ブレスト)だろう。あるテーマについて、参加者が付箋紙などに自由に意見を書き出し、ホワイトボードや壁に張り出す。そのうえで張り出した意見に対して、参加者同士が質問し合いながら、意見の数や切り口を増やしていく。

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