ラーニングセンター新浦安は、小学高学年・中学生を対象にしたクラスの一環として、プログラミングを教えている。教室長を務める君塚広氏は「子どもたちが、自分を表現するための手段としてプログラミングを教えている」と語る。10年以上の活動を通してプログラミング教育をどのように捉えているかを聞いた。

活動内容を教えてください。

写真1●ラーニングセンター新浦安 教室長の君塚 広氏
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 ラーニングセンター新浦安は、ブロック教材を用いた子ども向け教育を幼児から小中学生までに提供する教室です。私は小学高学年・中学生クラスでレゴマインドストームを使用したロボット製作(ロボティクス)やScratch(スクラッチ、関連記事)を使ったプログラミングのアクティビティ(活動)を実施し、節目ごとに、競技会、プレゼン会をファシリテート(活動の促進)しています。

 小学高学年・中学生クラス生徒は現在23人おり、その半数が小学生高学年です。

 授業は月2回で、1回の時間は100分(料金は月謝制、1万3000円(税込))が基本です。ただし、ロボット競技やプログラミングのプレゼンイベントが開催される前になると、希望者には納得いくまで補講を実施します。また、月一回「カフェ」と称して教室を自由に開放していますし、機会を見て外部のワークショップや学校見学に生徒を連れていきます。

2012年は最上級クラスの3名が「Scratch@MIT 2012」という米MIT(マサチューセッツ工科大学)で開催されたイベントに参加し、自分たちの作品をプレゼンしました。彼らの代は結びつきが強く、教室卒業後も高校生でありながらSILという団体を設立し、自主的にScratchを使った小中学生向けのワークショップを提供しています。 

ブロック教室があって、その延長線上の学びとしてプログラミングを追加したのですか。

 はい。私はラーニングセンター新浦安に2001年から参加しています。当時はブロック教室だけでしたが、その後にロボティクスやプログラミングを取り入れたカリキュラムを作成して提供しています。

 ちなみに、ロボティクスとScratchを使ったプログラミングを比較すると、後者の方が圧倒的に、子どもたちが自宅で自主的に学ぶことが多いです。今の子どもたちは、学習塾やスポーツ教室、部活動で忙しい。そのため、好きなロボットでさえ自宅で組み立てる余裕はないようです。この点でScratchは、パソコンさえあればすぐできるので、自宅で取り組みやすいのでしょう。

 Scratchによるプログラミングは、生徒たちの製作意欲を内発的に引き起こします。その過程で彼らは新たな事柄を自ら学ぶようになります。例えばある中学1年生は私に「三角関数(通常高校1年生で学ぶ)を教えてほしい」と質問に来ました。制作中の作品のオブジェクトの動きに三角関数が必要だったためです。彼はこのプログラミングを通じて三角関数を使いこなすようになりました。つまり本質的な理解に近づきました。これは理想的な学習方法だと思います。ちなみにその後、三角関数は教室生徒たちの「あこがれ」になり、先輩が後輩に、友だち同士も教えあい、ブームのような状況になりました。

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