2012年の売上高は、前年比34%増の8100万ドル。2012年12月時点で抱えるIT技術者は約4000人、グループ企業が運営する大学の4年制コースに在籍する学生数は7000人――FPTソフトウェアはベトナムのソフトウエア業界でも代表的な存在だ(写真1)。ハノイ、ホーチミン、ダナンといった主要都市に拠点を構え、ベトナム企業としては珍しく、大規模な開発案件もこなす。

写真1●FPTソフトウェアの本社ビル
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写真2●FPTソフトウェア・ホーチミンのグエン・ドゥック・クイン社長
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 FPTソフトウェアの売り上げを支えるのは、日本企業からのオフショア開発受託だ。日立グループをはじめ、ソニーやリクルート、ニッセンなどを顧客に持つ。「売上高の55%は日本市場向けが占める。米国やシンガポール、欧州がそれに続く」と、FPTソフトウェア・ホーチミンのグエン・ドゥック・クイン社長は説明する(写真2)。

 数百人月のプロジェクトをこなせる体制を構築している点が、FPTソフトウェアの強みだ。ソフトウェア第15事業本部ソフトウェア開発第3部のグェン・タン・ハイ部長は、「5年前までは100人月以下の案件がほとんどだった。今では500人月規模の案件を10件程度受注できるようになった」と胸を張る。同社の大規模開発を支える両輪は、豊富な人的リソースとプロジェクト管理ツールだ。

グループで大学を運営

 FPTソフトウェアの人材供給を支えるのは、FPTグループが運営するFPT大学だ(写真3)。ICTや経営関係の学部を持ち、4年制コースの学生数は7000人に上る。同大学の卒業生の半数はFPTグループに就職するという。ICT関係だけで約100人の講師を抱える。

 技術系コースの学習プログラムは次の通りだ。英語と日本語は必須科目となっており、最初に学生は基礎的な技術知識と共に学ぶ。その後、FPTグループやその他の企業で8カ月~1年ほどのOJTを実施。学生はOJTでの経験を基に、自分に必要な技術を最終過程において詳しく学習していく。

 「実践的なコースを提供している点がウリだ。例えば一般的な大学の場合、OJTは約1~2カ月しか実施しない」と語るのは、FPT大学ハノイキャンパスのタ・ゴック・コー バイスディレクターだ(写真4)。就職率は93%に達する。授業や試験などのオンライン化といった、学習環境の整備も進めている。

 その分、授業料は高額だ。4年間でかかる学費は約220万円と、普通の大学の約4倍。一般家庭の学生にとってはハードルが高いが、奨学金制度を用意しており、なるべく多くの学生に入学のチャンスを与えるようにしている。

写真3●FPT大学ハノイキャンパス
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写真4●FPT大学ハノイキャンパスのタ・ゴック・コー バイスディレクター
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