韓国の通信事業者が、コンテンツやプラットフォームなど通信以外の事業を拡大する成長戦略を2011年後半から2012年にかけて打ち出している。今回は韓国携帯市場シェア1位のSKテレコムと、同2位のKTの成長戦略を解説する。

約5人に3人がスマホを保有

 はじめに韓国のブロードバンド事情を整理しておこう。日本以上にサービスが普及していることが分かる(図1)。

図1●韓国におけるスマートフォン普及の推移
図1●韓国におけるスマートフォン普及の推移
同国の人口を約5000万人として単純計算すると、約5人に3人がスマートフォンを保有していることになる。

 固定通信では、韓国全世帯2002万(2011年10月)に対し、DSLやFTTxといったブロードバンドの加入者数は1930万(2012年9月)で、世帯普及率は92%に上る。モバイルは、総人口(約5000万)に対して携帯電話加入数が5362万で、人口普及率にして107%に到達した。このうちモバイルブロードバンド(3G/4G)加入者は92%になる。LTE(Long Term Evolution)の契約数も順調に伸び、携帯3社合計で1128万(2012年9月)に達している。

 スマートフォンの普及ペースも速い。2012年8月にスマホの加入者数は3社合計で3000万を超えた。単純計算すると約5人に1人はLTEを利用し、約5人に3人がスマホを保有していることになる。

eコマースで攻めるSKテレコム

 こうした状況下でSKテレコムは2011年10月、アプリケーションやeコマースなどのプラットフォーム事業を展開する子会社「SKプラネット」を設立した。同社が提供するeコマースサイト「11番街」やアプリケーションストア「T store」などを、グローバル戦略、新ビジネス戦略の中心として位置付ける。ただし同社のソ・ジヌ社長は「短期的に大規模な収益を期待しているわけではない。事業評価指標の重要な意思決定の基準に収益を含めない」と会社設立時に述べている。実際、2016年の設定で、売り上げ目標が3兆5000億ウォン(1ウォン=0.08円で2800億円)、会員数を2億人(全世界)という長期的な目標を立てている。SKテレコムの2011年12月期の売上高は15兆9000億ウォンなので、その約20%に当たる売り上げをSKプラネットのサービスで賄う計算である。

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