政府は2013年1月29日に2013年度予算案を閣議決定する。安倍政権が掲げた重点分野は、(1)復興・防災、(2)成長による富の創出、(3)暮らしの安心・地域活性化。民主党政権が基本方針として掲げた「コンクリートから人へ」は、安倍政権では「国土強靭(きょうじん)化計画」に取って代わられ、“財政出動”の色が濃くなる。

 民主党政権が整備に着手した電子行政分野の新しい制度である政府CIO制度とマイナンバー制度(社会保障・税に関わる番号制度)は、安倍政権下の2013年度予算ではどのようになるのか。財務省が1月16日に取りまとめた内閣官房、総務省、厚生労働省の概算要求見直し案から読み解いてみよう。

政府CIO制度で「ITダッシュボード」を構築

 2012年8月に初代の政府CIOとしてリコージャパン顧問の遠藤紘一氏が任に就き(関連記事)、内閣官房には政府CIO室が設置された。ただ現状では法的な裏付けはなく、政府は通常国会に設置法案を提出する計画である。

 内閣官房は2013年度概算要求で、「政府CIOによる戦略的変革に関する経費」として2億1300万円を計上した。国民の利便性を高め、効率的で透明性の高い行政を実現するために、政府の業務・システム全体のイノベーションを推し進めるのが狙いだ。民主党政権下での2012年9月時点の概算要求と内容は変わっていない。

日経BPガバメントテクノロジー 編集長 井出 一仁
日経BPガバメントテクノロジー 編集長 井出 一仁

 政府CIOの実質的な初年度となる2013年度は、まず投資管理とワークスタイルの変革に取り組む。IT投資の管理手順の整備とワークスタイル効率化に関する調査をそれぞれ実施するほか、米オバマ政権が各政府機関のIT投資状況を可視化するために開設したWebサイト「ITダッシュボード」のような「政府情報技術投資管理システム」の整備に着手する。同システムの投資額としては2013年度に4000万円を計上し、2014年度は8000万円を見込んでいる。ほかに、「政府CIOによる評価・レビュー制度の導入」の経費として5100万円も計上している(2014年度所要額は6500万円)。

 政府CIO補佐官の非常勤職員手当としては、17人分・9060万円を計上してある。予算成立を前提にすでに1月23日に公募を始めており、2月中に合格者を決定する予定だ(関連記事)。

 政府CIOに関する記述は、総務省の概算要求にも出てくる。同省は「国民本位の電子行政の実現と番号制度の導入」として115億2000万円を要求しており、このうち84億3000万円を占める「政府情報システム改革」について、「政府CIOの下で、政府情報システムの統合・集約化や府省共通システムなどの取り組みを強力に推進」するとしている。

 経費の主な内訳は、政府共通プラットフォームの運用が26億8000万円、政府認証基盤の運用経費が14億9000万円、文書管理業務・システム最適化実施経費が13億1000万円である。中でも、政府システムの統合・集約の基盤となる政府共通プラットフォームの経費は、2011年度3億円、2012年度10億円から急増し予算上の存在感を増している。

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