西欧諸国が次々と4G(第4世代移動体通信)の周波数オークション実施に踏み切る中、取り残されていた感のある英国が、ようやく最終決定にこぎつけた。他国よりも遅れた分だけモデルの改良が進み、価格高騰や参加者の結託を誘発しにくい最新モデルの1つとして注目されている。実施は2013年明けとなる見込みだ。


 2012年7月24日、英国の規制当局であるオフコムは、4G(第4世代移動体通信)の周波数オークションに関する最終決定を下した。最終案(オークション案改訂版)のコンサルテーションを受けたのは1月だが、意見の取りまとめに時間を要し、最終決定のタイミングは当初の見通しよりも遅れた。オークションの実施は2013年明けとされる。

オークションを待たずに市場は変化

 オークションの進行がもたつくのをよそ目に、英国市場は変わりつつある。2011年11月、O2(テレフォニカ)は保有する900MHz帯を再編し3Gサービスの提供を開始した。2012年8月、オフコムはEE(旧Everything Everywhere)による1800MHz帯のLTE(Long Term Evolution)サービス提供を正式に承認した。EEはアーリースターターとして大きなアドバンテージを得ることになる。その直後にEEは、1800MHz帯の売却でハチソン3Gと合意したと発表した。ハチソン3GはEEとの合意で保有周波数が一挙に倍増し、やはりLTEを早期に提供できる可能性が開けた(図1)。

図1●英国携帯事業者の周波数保有状況(2012年)
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 これでハチソン3Gの周波数配分状態が極端に不利ということを大幅に改善できる見通しとなった。いずれも他事業者にとっては抜け駆けとも映るものだが、周波数の逼迫に直面している事業者にとっては当然の行動といえる。

 一方、900MHz帯を付与された先行事業者として、常に有利な立場にあったボーダフォンとO2は、まとまった幅の1800MHz帯を持たない。これら2社がLTEを開始するのはオークション後となるだろう。このうちボーダフォンは、次世代サービスへの積極的展開を見せていない。

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