リーンスタートアップを実践するには、組織や人の“最適化”も欠かせない。リクルートや東急ハンズなどの取り組みが参考になる。

「3カ月でも遅すぎる」

 まずは、リーンスタートアップ専任組織を社内に作り、そこが導入や活用をリードするのが効果的だ。これを実践したのはリクルートである。

 冒頭で紹介したstartupinjapan.comを運営するのは、同社のネットビジネス推進室プロダクト開発グループ。2011年10月から試行し、2012年4月に正式発足したリーンスタートアップ専任チームだ。後述の「eventATND」の開発者を中心に、サービス企画担当者や技術者ら十数人を集めた。

 リクルートはもともと、社内のシステム部門がサービス企画部門と連携しながら「じゃらん.net」などのWebサービスを運営してきた。2007年には自社のアジャイル開発標準「SWAT」を導入し、以前は1年以上かかっていたWebサービスの開発を3~4カ月に短縮した。

 にもかかわらず、新たにリーンスタートアップ専任チームを立ち上げたのは「競合に勝つには3カ月でも遅すぎる」(リクルートのシステム部門であるMIT Unitedの志田一茂ソリューションプランニング部ITプランニング部兼システム基盤推進室APソリューショングループ ゼネラルマネジャー)という危機感からだった。「新サービスの開発や軌道修正を素早く進めるには、企画と開発が完全に一体化したチームが必要」と判断した。

 11年12月に提供を始めたWebサイトであるeventATNDでも、startupinjapan.comと同様に「小さく、早く」の方針を採用した(図1)。eventATNDは個人がセミナーや飲み会などのイベントを手軽に開催するための支援サイト。リクルートはイベント主催者にオンラインのチケット販売機能を提供、チケット売り上げの8%を手数料として受け取る。これも同社にとって新たなビジネスだ。

図1●リクルートがイベント開催支援サイト「eventATND」に追加した主な機能と実装時期
サービス企画担当者と技術者の合同チームが、2週間から1カ月に1回のペースで新機能を追加している
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 eventATNDは、2週間から1カ月ごとに1回のペースで新機能を追加している。その後、新機能によって利用者の使い方がどう変わるかを計測する。さらにヘビーユーザーに意見をヒアリングしたり、Twitterなどソーシャルメディアでの評判もチェックしたりする。これらの調査をもとにサービスの改善を続けている。

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