RFP(提案依頼書)を受けて提案するというスタイルは、IT業界で定着していると思います。では、提案して受注を勝ち取るにはどうすればいいでしょうか。分かりやすい提案書であること、説得力あるプレゼンテーションをすること。そのどちらも必要だと思いますが、それらだけで受注を勝ち取ることができるでしょうか。

 こういう説があります。RFPを受けて提案するケースにおいて、およそ半数の発注者は実際に提案を受ける前に意中のベンダーをほぼ決定している。つまり、提案書がうまく書けた、プレゼンテーションをうまく実施できたと思えても、その前段階で活動していなければ無駄な労力に終わってしまう可能性があります。

 提案の前段階にもっと目を向ける必要があります。そうすれば、相手にとって分かりやすい提案書が書けるようになるし、プレゼンテーションの説得力も増すはずです。そのためには、提案活動を一つのプロジェクトとして捉え、マネジメントすることが必要です。このような活動を「プロポーザルマネジメント」といいます。受注を勝ち取れるかどうかは、プロポーザルマネジメントの出来に大きく左右されるといってもいいでしょう。

 紹介が遅くなりましたが、筆者はITベンダーの立場でこれまで数多くの提案活動に関わってきました。提案活動を専門としており、「APMP(Association of Proposal Management Professionals)」という組織が認定するプロフェッショナルメンバー(試験に合格すると認められる)の一人です。APMPは、米国を拠点とする、プロポーザルマネジメントのための非営利団体です。世界約60カ国に4000人以上の会員がいます。IT業界のみならず、提案、入札、プレゼンテーションなどを通じて案件獲得活動に従事する人たちが参加し、国境を超えて提案に役立つナレッジを共有し交流しています。

 この記事では、IT提案力を高めたいと思っている人に向けて、そのスキルアップに役立つと思われるAPMPについて説明します。

提案のマネジメント手法を標準化

 APMPではプロポーザルマネジメントの方法論を標準化しています。説得力ある提案書の書き方や効果的なプレゼンテーションの方法はもちろん、案件獲得の戦略策定、価格設定戦略、提案書作成のためのスケジュール設定、リスク管理などの方法が体系化されています。それらを学ぶことで、次のようなメリットが得られます。

  • 案件獲得プロセス全般について理解できる
    単なる提案書の書き方や見せ方にとどまらず、その前段階からの進め方が理解できます。それにより案件獲得戦略を立て、計画的な提案活動ができるようになります。
  • 提案書の説得力を高められる
    伝えるべき相手を定め、その相手の関心事に応じた提案書を作成する方法を学べます。
  • 提案書づくりにかかる時間が短くなる
    効果的な提案骨子や提案書の章立ての考え方、時間短縮に向けたスケジュール策定方法の習得により、書く時間を短縮できます。
  • 提案書の見栄えがよくなる
    資料のレイアウトやグラフィクス、配色などのドキュメント作成方法が学べます。
  • 欧米の提案方法を習得できる
    資料のレイアウトやグラフィクス、配色などのドキュメント作成方法が学べます。
  • ベストプラクティスに基づく提案プロセス
    勝つための組織やプロセスづくりに役立てることができます。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は登録月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら