2012年6月、はじめてその概要が発表された「Windows Phone 8」。現時点では正式な発売日などはまだ発表されていない。だが、ベンダー各社からいくつか対応端末が発表され、一部の開発者向けに開発環境の先行配布が始まっている。

 Windows Phone 8端末を11月から発売開始すると発表したベンダーもあることから、少なくとも海外では2012年の年末商戦への投入は確実とみられる。Windows 8が発売される10月26日以降、近いうちに正式な発表を期待できそうだ。マイクロソフトにとってWindows Phone 8とは、iPhoneやAndroidに大きく出遅れたスマートフォン市場で巻き返すための戦略商品として重要な意味を持っている。

 今回は、このWindows Phone 8の現状について詳しく紹介しよう。

Windows 8と共通のコアに変更するWindows Phone 8

 Microsoftは2012年6月20日にサンフランシスコで「Windows Phone Summit」を開催し、Windows Phone 8の概要を初めて公表した(写真1)。Windows Phone 8は、2011年8月末に最初の端末が発売された現行バージョン「Windows Phone 7.5」の後継となるメジャーバージョンアップで、Windows 8の発売に続いて年内リリースが期待されている。

写真1●Windows Phone Summit
Windows Phone 8という名前とその概要がはじめて公表された。
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 Windows Phone 8の最大の変更点は、Windows 8と共通のコアを用いた「Shared Windows Core」の採用だ。Windows CEベースだったこれまでのWindows Phone 7.5と異なり、Windows 8はWindows NT系列のカーネルがベースとなる。これはOSの根幹に関わる重大な変更だが、Windows NTカーネルはすでにWindows XPやWindows 7、Windows Serverに採用されてきた実績があるため、堅牢性や信頼性は十分に高いとマイクロソフトは説明する。具体的な実装は、ARMプロセッサで動作する「Windows RT」に近いものになるとみられる。

 カーネルをCEベースからNTベースに変更する具体的なメリットとして、Microsoftは多くの内部的なコンポーネントをWindows 8とWindows Phone 8で共通化できる点を挙げている。これにより、端末ベンダーはWindows 8のデバイスドライバをWindows Phone 8に容易に移植できるという。

 Windows Phone 8では、端末のハードウエア要件もアップデートされている(写真2)。これまでシングルコアのみだったプロセッサはマルチコアに対応。ディスプレイの画面解像度はWVGA(800×480ドット)で固定だったが、新たにWXGA(1280×768ドット)や720p(1280×720ドット)に対応する。microSDカードの交換にも対応し、写真や音楽や動画用のストレージとして利用できる。NFCにも対応する。

写真2●Windows Phone 8のハードウエア要件
マルチコアやHD解像度をサポートする。
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