インドでBWA(Broadband Wireless Access)のオークションが実施されたのは2010年5月。それから約2年たった2012年4月、同国初となるTD-LTE方式のサービスが始まった。その一方で、インド市場からの撤退や事業買収といった動きもあり、インドのモバイルブロードバンド業界は早くも合従連衡が進みつつある。


 インド最大の携帯電話事業者であるバーティ・エアテルは2012年4月、BWA(Broadband Wireless Access)サービスの「airtel 4G LTE」をコルカタとバンガロールで開始した。方式は中国移動やソフトバンクグループが採用しているTD-LTE(Time Division-Long Term Evolution)。TD-LTE方式のモバイルブロードバンドサービスはインドでは初となる。

 インドでは事業者の営業エリアをサークルという単位に分けている。コルカタとバンガロールはカルナタカと呼ぶサークルに属する。エアテルはこのほかのサークルとしてマハラシュトラやパンジャブ、およびカルナタカのバンガロール以外のエリアでも4Gを準備中としている。当初の対応端末はUSBドングル(7999ルピー)と宅内用ゲートウエイ(7750ルピー)の2種類。現地メディアの速度試験では平均で15Mビット/秒以上という報道があった。ただし、料金が高いこともあり、まだ一般的とはいえないようである。

オークション直後に事業買収の動き

 インドでBWAの周波数オークションが実施されたのは約2年前の2010年5月のこと。あらかじめ優先的に帯域が割り振られた政府系事業者のBSNL、MTNLのほか、6社が免許を落札した(図1)。このうちTD-LTE方式の採用を表明しているのは、バーティ・エアテル、オージェール、インフォテル、クアルコムである。1社に割り当てられる帯域が20MHz幅であるため、各社は干渉が生じやすいとされるFDD方式ではなく、TD-LTE方式を選んだとみられる。これ以外のエアセル、ティコナ・デジタル、BSNL、MTNLはWiMAXを採用予定と報道されている。

図1●インドにおけるモバイルブロードバンドの採用技術と免許取得者
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 ところがBWAオークションの終了後、すべてのサークルで免許を取得したインフォテルは、石油・重化学などを得意とするコングロマリットのリライアンス・インダストリーズへ経営権を売却すると発表した。リライアンス・インダストリーズは、TD-LTE方式のモバイルブロードバンドサービスを提供する機会をうかがっており、インフォテルの免許落札を受けて、同社の買収に踏み切ったとみられる。なお、オークションにはリライアンス・コミュニケーションズやボーダフォン・インディア、タタ・ドコモといった大手も参加したが落札には至らなかった。

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