「スマートフォンのアプリでお金を稼ぎたい」と考えた場合、収益を上げる方法はいくつか用意されている。中でも、いま最も高い収益を上げているのが、ゲームなどでアイテムを販売して収益を上げる、アプリ内課金による手法だ。だがこの方法を取り入れるには、アプリの設計段階で収益に結び付ける導線を作り、さらに高い収益を上げるためには継続的な運営努力が必要となるなど、ハードルが高いのも事実だ。

 より多くの人にとってチャレンジしやすいのが、アプリをダウンロード課金で有料販売する方法である。だがこの方法を採用した場合も、アプリの価格をどう設定するかで悩むのも事実だ。そこでマーケットのランキング動向から、有料アプリの価格設定について考察してみよう。

低価格が“常識”となったダウンロード課金アプリ

 「ダウンロード課金は儲からない」と言われて久しいが、その要因の一つに、価格設定が挙げられる。実際にスマートフォンのアプリマーケットで有料アプリをチェックすれば分かるが、その多くは数十~数百円という価格が設定されており、500円もすれば“高い”と感じてしまうほどだ。

 アプリを購入するユーザーの側も、アプリの価格設定に対する評価は非常にシビアだ。例として、App Storeの「有料 App」のランキングをチェックすると、上位にランクしているアプリの大半が、最低価格となる85円のアプリで占められており、300円以上のものは上位20以内にわずか2本しかランクインしていない(表1)。

表1●App Storeの「トップ有料」のランキング(2012年8月29日時点)
表1●App Storeの「トップ有料」のランキング(2012年8月29日時点)

 こうした状況が起きている要因として、スマートフォンのアプリマーケットの参入障壁が低く、オープン性を高くした影響が大きいと考えられる。障壁の低さから、プロからアマチュアまで多くの開発者がマーケットに参入し、早い段階から激しい価格競争が発生してしまい、アプリの低価格化や無料化が一気に進んでしまったのだ。

 開発者の参入数増加によるアプリの供給過多に加え、アプリは無料、あるいは低価格が当たり前と捉えるユーザー心理――。こうした悪循環によってダウンロード課金アプリのビジネスは大きな逆風下にさらされていることは事実だ。

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