「ユーザーさんにもっといろんな番組を見てほしい。番組が700~800本もあると人気の番組も出てくるが、面白いのに人の目に触れない番組も出てきてしまう」「今のニコ動は一回見に来ると、『戻る』ボタンを押して一回戻ってまた押して、といった操作になる。スムーズに次の動画に進むという状態ではなかったと思っている」

写真1●ニコニコ生放送の企画責任者であるドワンゴ ニコニコ事業本部セクションマネージャーの設楽泰智氏(右)と「ニコニコ生放送:Zero」の「Recent」の開発を担当するアプリケーションエンジニア 塚田朗弘氏(左)
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 2012年5月1日、ニコニコ動画の次期バージョン「Zero」のサービスがプレミアム会員に公開された。いずれは全会員向けに提供されるサービスだ。視聴ページの大幅な改変を伴うもので、2006年にニコニコ動画が始まって以来の大幅な変更となる。冒頭の発言はこの「Zero」にバージョンアップする理由を開発者が語ったものだ。前者は「ニコニコ生放送:Zero」の「Recent」の開発を担当するドワンゴ ニコニコ事業本部のアプリケーションエンジニア 塚田朗弘氏(写真1左)、後者は「ニコニコ動画:Zero」の新動画視聴ページ「ZeroWatch」やコメントの評価機能「ニコる」のディレクターを務める同担当セクションマネージャーの志賀雄太氏(写真2左)の発言だ。いずれも共通するのは「より多くのユーザーに動画を見てもらいたい」という動機だ。

写真2●ニコニコ動画:Zeroの「ZeroWatch」と「ニコる」のディレクターであるドワンゴ ニコニコ事業本部の担当セクションマネージャー 志賀雄太氏(左)、ニコニコ動画の企画責任者である同 セクションマネージャーの坂本将樹氏(中)、「ZeroWatch」を実装した開発チームのリーダーである眞壁清太朗氏(右)
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 もっと動画を見てもらうためには何をすればいいのか。ドワンゴではまずZeroのテーマとして「原点回帰」を掲げた。志賀氏は次のように語る。「1年ほど前から『原宿本社』『ニコファーレ』など、一番最初のユーザーさんから離れた“箱もの”などにドワンゴとして取り組んでいた。こうしたこともあり、今回は動画を見る機能をちゃんと見直そうという意味で原点回帰というテーマが与えられたと思っている。これまで視聴ページはあまり大きく改変してこなかった。あらためてニコ動に最適な動画視聴ページとはどういうものか考えよう、ということで視聴ページに手を入れた」と説明する。

 表1は、今回のバージョンアップで加えられた新機能やサービスをまとめたものだ。これらの内容から、「動画をもっと多くのユーザーに見てもらう」ためにどのようなことに取り組んだのか、どのようなものを意識したのかが見えてくる。それは「リアルタイム」と「テレビ」である。

表1●「Zero」のバージョンアップ内容
サービス/機能名内容
「ニコニコ動画:Zero:」 新動画視聴ページ「ZeroWatch」
  1. 視聴画面サイズを「640×368」から「864×486」に拡大
  2. タグ編集がリアルタイムでページに反映
  3. 再読み込み不要で動画の切り替えが可能に
  4. 動画を視聴しながら同ページ上に次に見たい動画を選択可能に
「ニコニコ生放送:Zero:」 新動画視聴ページ「ZeroWatch」
  1. 画面サイズを「864×486」に拡大、高速番組切り替え(ザッピング機能)
  2. カテゴリーTOPページの放送番組一覧に番組のコメント数や視聴者数をリアルタイム更新(「Recent」)
  3. 「新ランキング」で「ユーザー生放送」「公式生放送」「チャンネル生放送」別にランキング
「ニコる」お気に入りの「コメント」や「タグ」を評価する機能。視聴ページで「ニコる」ボタンをクリックして評価
新マイページデザインをリニューアル。お気に入り登録しているチャンネルやコミュニティの生放送番組数とタイムシフト予約表が表示される「生放送」タブの追加など。
音楽ダウンロード「NicoSound」ニコニコ動画公式ダウンロード機能。クリエイター(動画投稿者)が許可した作品に限り、投稿された動画の音声部分をニコニコ動画内(PCのブラウザ、Android端末)で無料ダウンロード
ユーザー参加型
リクエスト放送「Nsen」
ニコニコ動画に投稿された音楽をユーザー同士で聴くユーザー参加型リクエスト放送。八つの専門チャンネルを24時間放送

 写真3は志賀氏が最初に提示したニコニコ動画:Zeroの新視聴ページ「ZeroWatch」のプロトタイプの画面だ。志賀氏はエンジニア出身であり、1週間ほどでこれを作り上げたという。デザインは現在のページに非常に近い(写真4)。実際に実装を担当したニコニコ事業本部企画開発部の眞壁清太朗氏(写真2右)は、「プロトタイプに肉付けしていき、アジャイルみたいな感じで進めていった」という。こうした開発ができたのも、当初から「動画を見てもらいたい」という動機が一貫していたからだ。

写真3●志賀氏が最初に提示したニコニコ動画:Zeroの「ZeroWatch」のプロトタイプ
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写真4●実際にサービスインしたニコニコ動画:Zeroの「ZeroWatch」
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