既に2割の企業が国内外のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを利用している――。企業のCIO(最高情報責任者)を対象にした調査で明らかになった結果だ(図1)。

図1●企業のCIO(最高情報責任者)を対象に調査したBPOの実施・検討状況(有効回答数:224)
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 日経情報ストラテジーは2012年2~3月に2012年度のIT投資動向を見極めるための調査を実施した(226社が回答、詳細は日経情報ストラテジー6月号に掲載)。そのなかにBPOについての質問項目を盛り込み、企業の取り組み状況を調べた。

根強いBPOに対するニーズ

 そこで2割の企業がBPOサービスを利用している現状が浮き彫りになった。この割合はまだまだ伸びていく余地はあるのか。それとも市場として成熟しつつあるのか。

 調査から分かったのは、企業の根強いニーズだった。BPOについて「検討中」と答えた企業が1割程度あったのだ。

 調査結果を掘り下げると、その傾向はさらにはっきりとする。国内外のBPOサービスを利用していると答えた企業は3.6%、国内のみは16.1%、海外のみは2.2%だった。調査からは海外での利用例が6%程度にとどまっている現状が明らかになった。

 BPOを実施する企業のなかには、国内での外部委託を指す「ニアショア」で経験を積んだうえで、コスト削減効果が大きい海外へ展開していく企業も少なくないという。「セキュリティーの不安などから最初はニアショアに取り組み、その後海外へと考える企業が多い」(NTTデータの堀川雅紀ソリューション&テクノロジー事業推進部BPOビジネス推進室部長)。資生堂は2012年4月から化粧品などの販売店舗に置いたIT機器のヘルプデスク業務を中国・大連に全面的に移したが、当初は東芝ソリューションの国内拠点で運用を任せていた。こうした傾向からも、特に海外へのBPOはまだまだ拡大の余地が大きいといえそうだ。

コスト削減が主目的

 調査ではBPOによって狙う効果も聞いている。トップは、やはりコスト削減だった。実に57.1%の企業がコスト削減が目的と答えた。

 では、どのくらいのコスト削減効果を見込めるのか。中国に三つのBPO拠点を持つNTTデータは「2~3割ほどが相場」(布施知也 パブリック&フィナンシャル事業推進部技術戦略推進部 システム企画室課長)と話す。

 海外へのBPOといえば中国が中心だが、最近はさらなるコスト削減を狙って、より人件費が安い東南アジアに業務を移す「アセアンBPO」の事例も出始めている。例えば伊藤忠食品はベトナムへのBPOを実施済みだ。NTTデータはBPOの拠点として、民主化が進むミャンマーの実地調査を始めた。市場の拡大に合わせて、BPOを提供する地域も広がりを見せている。