検討会議に参加した代表者の間でしっかりと合意形成をしても、それで終わりではない。次のステップとして承認会議を開き、検討した結果について、関係する利用部門の部門長から承認を得る必要がある。

 プリベクトの北山氏は「検討会議後、部門長の承認に時間がかかることが多い」と指摘する。一般に部門長は多忙で、時間を取りにくい。しかも1人でさまざまな事柄について承認するので、ボトルネックになりやすいからである。そのため、「検討会議での決定が1日遅れただけでも、部門長が出張してしまい承認が数週間遅れるケースがざらにある」(北山氏)。

 そこで北山氏は独自の承認管理表を作り、滞りなくスピーディーに部門長から承認を得る工夫をしている(図5)。製造業の購買業務改革のプロジェクトを例に取ると、「鋼材の購買依頼」「部材の購買依頼」といった業務プロセスごとに、「要件リストの確認」や「要件詳細・予算確認」のような必要となる承認項目をリストアップする。その上で、どの部門の誰がいつ承認するのかを、あらかじめ部門長と話し合って決めておく。

図5●承認スケジュールを決める
プリベクトの北山一真氏は独自の承認管理表によって、検討会議で決めたことを、いつ誰が集まってレビューし最終承認するのか、という承認スケジュールを明確に定めている。これをあらかじめ提示すると、部門長がすべてをレビューするのは難しいことを認識し、部下への権限委譲が進むという
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 このとき北山氏は部門長に対して、「すべてを承認してもらっても結構ですが、この期間はずっと承認会議に出てもらうことになります」と迫る。すると、部門長は「この件は課長が承認する」「この件は検討会議での決定に従う」のように、進んで権限委譲を行うという。

根回しツールとしても効果的

 承認管理表の効果はそれだけではない。「プロジェクトチームのメンバー全員が、案件ごとに承認者を意識するので、検討過程で意見が分かれたり判断が難しそうだったりしたら、早めに承認者に相談するようになる」(北山氏)。つまり、根回しを促すツールにもなる、というわけである。

 そのため北山氏は、要件定義フェーズを始める時点で必ずこの承認管理表を作成し、プロジェクトチーム全員で共有している。

出典:日経SYSTEMS 2011年10月号 p.65
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