システム開発プロジェクトの要件定義フェーズでは、ITエンジニアは利用部門から問題や要望をヒアリングする。さらにそれを基に、真の問題とその解決策となる新しい業務やシステムについての仮説を立て、要件の「検討会議」に臨む。この検討会議では、各利用部門の代表者としてそれぞれのキーパーソン数人が何回かにわたって集まり、集中的に要件を決めていく。

 ITエンジニアにとって、この検討会議における最大のテーマは、何といっても合意形成である。このときの合意形成がしっかりしていないと、後の工程で仕様変更の原因になりかねない。

 ただし合意形成は容易ではない。例えば、利用部門のキーパーソンとはいえない人が選ばれて出席してくる。参加者の間で意見対立が生じたり、要件についての解釈が参加者によって異なったりする。結論が出ても、納得していない参加者がいる。検討会議の結果について、各利用部門の部門長の承認がなかなか得られない――。ITエンジニアは、そうした事態に陥ることを防ぎながら、参加者の合意形成を進めなければならない。

 ここでは、この検討会議における合意形成についての極意を五つ紹介する。それは、「キーパーソンを選ぶ」「意見対立を解消する」「正確に業務をモデリングする」「全員に納得してもらう」「スピーディーに承認を得る」という理想的な要件定義を実現するためのものだ。

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出典:日経SYSTEMS 2011年10月号 pp.61-65
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