スマートフォン/タブレットが多様化する一方で、さらなる市場拡大を見越して、これまで以上に安価なスマートフォンが続々と登場しそうだ。それらを支えるのは部品レベルのハードウエアの低価格化、新興スマートフォンメーカーの積極進出、そして既存のプラットフォームにとらわれないサービスと紐づいた端末の提供によるコストの転嫁などだ。

 米GoogleのExecutive ChairmanであるErich Schmidt氏もMWC2012という場だけでなく、事あるごとにスマートフォンの低価格化を指摘。例えば2011年7月19日に日本で開かれた「Google mobile revolution」では70米ドル程度にまで下がるといった見方を示している(関連記事:アジア初「Ice Cream Sandwich」のデモを披露、Googleがモバイル戦略発表会)。そうした低価格化の根拠が随所で見られるのがMWC2012だ。

大手に肩を並べるHuawei、2015年までにTop3入り目指すZTE

写真1●中国Huawei Technologiesの展示ブース
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 低価格化を促すという点で、新たな競合メーカーの登場という要素は欠かせない。その代表がMobile World Congress 2012でその存在感を示した中国Huawei Technologies(華為技術)と中国ZTE(中興通訊)だ。昨年も巨大なブースを構えていた両社だが、今年も同様に韓国Samsung Electronicsや韓国LG Electronicsに隣接する一角に陣取り、多くの来場者を集めていた(写真1)。両社とも大手通信機器ベンダーとして業界内では一定の知名度はある。特にHuaweiは通信機器メーカー大手のスウェーデンEricssonの幹部にして、「世界中のあらゆる地域で競合している」(EricssonのSenior Vice President、Ericsson China & North East AsiaのPresidentであるMats.H.Olsson氏)と言わしめるほどだ。

写真2●中国Huawei Technologiesが発表したクアッドコア搭載スマートフォン「Ascend D quad」
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 だが、スマートフォンやタブレットといったコンシューマ向け製品では両社のブランドはそれほど浸透していない。今年のHuaweiやZTEは、まさにこのスマートフォン/タブレットの分野でのブランド確立に邁進している。そんな狙いを象徴するのが、MWC2012開幕前日の2月26日に開催されたHuaweiの製品発表会だ。

 MWC開幕前日は、端末メーカー各社が会場周辺で新製品を披露するのが恒例となっている。今年は韓国LG Electronics、英Sony Mobile Communications、台湾HTCなどとともに、Huaweiが名を連ねた(写真2、関連記事:華為が“世界最速”うたう4コア搭載スマホ「Ascend D quad」を披露)。トップブランドへの橋頭保としてMWCという場を大々的に利用しているのだ。

 一方のZTEは会期中にスマートフォン/タブレットのロードマップを説明。端末事業の責任者であるExecutive Vice President、Head of Terminals DivisionのHe Shiyou氏が「2015年までにグローバルでトップ3に入るハンドセットベンダーになる」との目標を掲げ(写真3)、Android 4.0搭載のクアッドコアスマートフォンからLTE対応タブレット、Windows Phone搭載スマートフォンの新製品など多くの製品を紹介した(写真4、関連記事:ZTEがWindows Phoneや4コアスマホ発表、「2015年にはトップ3ベンダーに」)。

写真3●2015年までに端末ベンダートップ3入りを目指すZTE
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写真4●クアッドコアプロセッサ搭載のスマートフォン「ZTE Era」を紹介
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 今回のMWC2012では、Huawei、ZTEいずれもハイエンドクラスのスマートフォンを自社ブランドで展開することをアナウンスしている。ZTEのHe氏は「オペレータとともに、ローカルマーケットのニーズに応えるカスタマイズをしていくことは大事」とし、OEMによる端末提供も引き続き同社にとって重要な事業であると述べている。だがスマートフォン/タブレットのハイエンド分野に中国市場という巨大マーケットを背景にしたメーカーが自社ブランドで参入してくる点で、価格競争がこれまでより激しくなることは必至だ。

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