いまや独創的なアイデアはない。差が付くのは“やり方”
ネットイヤーグループCEO
石黒不二代氏
写真●ネットイヤーグループCEOの石黒不二代氏
写真●ネットイヤーグループCEOの石黒不二代氏

 スタートアップは、既に1990年代に“アート”から“サイエンス”になっていた。

 私がこう感じたのは、米国の雑誌「Inc.」のアンケート結果を見てからである。同誌のアンケートでは、80年代に成功したCEO500人に聞いたところ、成功の要因として彼らが挙げたのが「すばらしいアイデアを思い付いた」「他の人とは違うことをした」「物事に対する感覚が良かった」というもので、創業者の資質そのものが挙がっていた。これは、ほかの人が真似できないということで“アート”だったと言える。

 それから10年。顔ぶれは違うものの、同じようにCEO500人に同じ質問を投げかけたところ、いいアイデアが有益であることは認めながらも「やり方が良かった」がトップに挙がった。つまり、やり方を間違えなければ再現できるということで、明らかにサイエンスになったのだと感じた。

 情報がすぐに共有される現代では、誰もが思いつかないようなアイデアは、ほとんど見当たらない。どの会社も、同じ時期に、同じようなことを始めようとする。そこで違いをつけるのはアイデアではなく、やり方である。だから、独創性が無いからといって躊躇するなと言いたい。やり方が分かっていれば、差をつけられる。