現在のスマートフォン、タブレット向けに使われるアプリケーションプロセッサとしては、ARMのCortex-A9系がハイエンドになっている。そして2012年から2013年にかけては、次世代となるCotex-A15プロセッサの登場が予定されている。

写真1●2012年のCESで中国Lenovo Groupが公開したAtom Z2460(Medfeild)搭載のスマートフォン
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 一方、今年1月のCES(2012 International CES)では、中国Lenovo Group(聯想集団)などが、米IntelのAtom系プロセッサを採用したAndroidスマートフォンを展示した(写真1)。これまで、Atom系プロセッサは、開発発表はあったものの、搭載されたスマートフォンは出荷されていなかった。まだ、出荷が始まったわけではないが、ここに来て、ようやく製品が登場しそうな状況になってきた。

Intelのモバイル向けプロセッサのこれまでとこれから

 PC系のプロセッサでは、高いシェアを持つIntelだが、それ以外の分野でのシェアはあまり高くはない。かつては、家電などに同社のプロセッサが使われたこともあったが、PC向けのビジネスに特化したことから、組み込み系での利用が敬遠されていたのである。

 しかし、拡大していく携帯電話市場を見て、Intelはその分野への進出を狙っていた。1997年に米DEC(当時)から「StrongARM」の製造部門を買収。翌1998年に英ARM社と製造販売に関するライセンスを締結した。その後は自社で設計を行い、「Xscale」というブランドで販売を開始した。しかしIntelは、2006年6月に、Xscaleを部門ごとMarvell Technology Group(半導体事業は米Marvell Semiconductorが担う)へ売却してしまう。

 米国でスマートフォンブームが起こるのは、2007年のiPhone登場から。元々米国の携帯電話市場は、音声通話での利用がほとんどで、日本やEU圏のように、携帯電話のメールやWebアクセスはあまり行われていなかった。製品力の問題というよりも、タイミング的な問題だったと思われる。特にiPhoneが登場するまで、米国内のどの携帯電話事業者も、その利益の大半を音声収入から得ており、データ通信の比率が小さかった。当時は、米Texas Instrumentsなどが携帯電話用アプリケーションプロセッサの大手だったが、そのビジネスの中心は、現在でいう「フィーチャーフォン」であった。Intelにとって目の前に見える米国市場に、ハイエンドから参入というやり方は、今から振り返るとうまくいかなくて当然のタイミングだったのである。

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