中国のIT最大手である神州数碼控股(デジタル・チャイナ)は2009年末、日本のシステム会社SJIの株式の約3割を取得して筆頭株主となった。SJIを窓口とし、協業する日系IT企業を増やし、日本の先進的なソリューションを中国市場に移管することを狙ったものだ(関連記事)。足元の交渉状況や今後の協業見通しについて、神州数碼控股傘下の主要システム会社である神州数碼信息服務の何文潮 副総裁に聞いた。

(聞き手は宗像 誠之=日経コンピュータ



写真●神州数碼信息服務の何文潮 副総裁
写真●神州数碼信息服務の何文潮 副総裁

SJIとの資本・業務提携後の具体的な成果はあるのか?

 SJIとは、ソフトウエア関連、ソリューション関連で、技術面での連携が増えている。そして、SJIへの出資で最も期待したのは、日本と中国の市場のかけ橋としての役割である。これは期待通りで、日本のIT企業といろいろな協業の話ができている。

 デジタル・チャイナはグループを挙げて今、戦略転換の真っただ中にある。つまり、既存の単純なハードウエア機器の販売から、ソフトやサービス、ソリューションを組み合わせて顧客へ売り込むようにビジネスモデルを変えることだ。このためには、SJIを通じて日本側での最先端のITサービスや技術の情報を得たり、実際に日系IT企業と連携したりすることが重要になってくる。

 技術開発面でも成果は出ており、SJIのオフショア開発子会社と連携し、そのノウハウを活用して金融業界向けのシステムを構築した実績もできた。

様々な日系IT企業と話はしているようだが、提携の実現に時間がかかっている理由は?

 日本と中国の顧客が求めるものは微妙に異なり、企業同士のトップレベルでは合意できても、現場ではいろいろと議論が出てくる。やはり、日本と中国のITサービス市場の違いを具体的にどう埋めるかという点で、時間がかかるのは仕方がない。

 それは日本のソフトやサービスを、そのまま中国の企業へ適用できるわけではないからだ。もう少し具体的に話すと、中国向けに日本の製品、サービスを展開するには多少のカスタマイズがいる。この採算性や手間などの問題で、議論が長引く。日本の企業としては、あまり機能追加や改変などのカスタマイズを加えずに、そのまま中国へ持っていきたいという意向が大きいようだ。

 とはいえ、今も積極的に日本のIT企業とは話をしており、そのために2011年もデジタル・チャイナの郭為CEOが日本を訪れているほどだ。私も交渉のために2011年は数回、日本を訪れた。ただ、具体的な提携を締結するのは、いずれの案件もまだ先になるだろう。

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