2011年10月に発表された英ARM社のアプリケーションプロセッサの一つである「Cortex-A7」は、今後のARMプロセッサ、スマートフォン向けプロセッサの動向を見る上で重要な役割を持つ。今回は、このCortex-A7の省電力の仕組みなどを解説する。

図1●2012年以降のCortex-Aシリーズのラインアップ
今後は、Cortex-A7のデュアルコアでエントリレベル、クワッドコアでメインストリームの領域をカバーし、ハイエンドはCortex-A15シリーズが使われる予定だ。(出典:ARM TechCon 2011 Conferenceプレゼンテーション)
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 Cortex-A7は低消費電力であることを目標にしたプロセッサで、性能は、従来のCortex-A8に近く、消費電力はCortex-A5と同等となっている(図1)。なおCortex-A7は、図1から分かる通り「Low-Cost Smartphone/Tablet」向けのプロセッサでCortex-A5の後継に位置づけられる。一方、Cortex-A8は「High-End Mobile」向けに位置づけられるプロセッサで、現在はその後継となるCortex-A9コアを採用する製品も登場し始めている。A8やA7といった数字が必ずしも登場順にはなっていない点、いずれもスマートフォンやタブレットにも採用される点に注意したい。

 2010年に発売されたスマートフォンで主流だったCortex-A8コアは、ARMv7アーキテクチャの中でも初期に設計されたものである(関連記事:第1回 スマートフォンやタブレットのプロセッサとは)。これに対して、Cortex-A7は28nmプロセス向けに設計されており、Cortex-A15プロセッサと同じく仮想環境支援機構などを備える。また、マルチプロセッサ化も可能だ。

 Cortex-A8はマルチコアに対応しておらず、仮想環境支援機能もない。コア単体の性能では、Cortex-A8が上回る部分もあるが、平均ではほとんど同じになる。また、Cortex-A8は、45nmプロセス向けに設計されているため、ダイサイズもCortex-A7のほうが小さくなる。今後、Cortex-A7はCortex-A8を置き換え、下位クラスのスマートフォンでもマルチコア構成などが可能になってくる。

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