グーグル検索やTwitter、Facebookなど「ビッグデータ」を扱うサービスが普及し、これまで不可能だと思っていたことを実現できる新型IT(情報技術)が続々と登場、一般企業にも身近なものになりつつある。ビッグデータとは、従来のコンピューティング技術では短時間で収集・解析するのが難しい、膨大な量のデータのこと。情報システムの次代を担う7大ITトレンドを紹介する本連載の第4回は、最新スーパーコンピュータ(スパコン)でも脚光を浴びる「GPGPU(General-Purpose computing on GPU)」技術を扱う。

 描画処理に最適化された「GPU(グラフィックス処理専用プロセッサ)」の力を借りて、パソコンの心臓部としてよく知られる「CPU(中央演算処理装置)」の限界を超える――。データ解析処理を高速化する一手法として、GPUの使いこなしが大きなテーマになってきた。CPUとGPUのどちらか一方ではなく、両者を組み合わせて性能を高めることがポイントだ。GPUを描画処理以外に生かすことを「GPGPU」と呼ぶ。

 現在提供されているGPUの多くは、数十、数百の演算コア(演算回路)を持つメニーコア。同種の命令を大量に並列実行することに向く。米IBMや米ヒューレット・パッカード(HP)がGPU搭載サーバーを出荷している(表1)。そのほか、スマートフォンや携帯電話などモバイル機器用のGPUチップも存在する。CPUに比べて消費電力効率が高い点も、GPUの魅力だ。

表1 GPU(グラフィックス処理専用プロセッサ)を搭載可能なサーバーの例
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 「顧客向けにリスク計算機能を提供する計画があるが、ここにGPUを使えないか検討している」(カブドットコム証券の阿部吉伸事務・システム本部長)と、ユーザーの関心も高い。GPU活用で参考になるのが、東京工業大学が運用中のスーパーコンピュータ「TSUBAME2.0」である。

■連携させることで速くなる

 TSUBAME2.0は1442個の計算ノード(サーバー)から成り、処理性能は1.19ペタFLOPS。2011年6月に発表された、スーパーコンピュータの世界ランキング「TOP500」では第5位だった。特徴はCPUとGPUを組み合わせたハイブリッド型であることだ(図1)。

図1 「TSUBAME2.0」はCPUにGPUを連携させて高速処理を実現
全体で4000を超えるGPU(グラフィックス処理専用プロセッサ)を搭載。並列処理が必要な部分をGPUに任せることで、性能向上を図っている。
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