イー・アクセスが保有する帯域は1.7GHz帯の15MHz幅×2のみ。そのうち10MHz幅×2は最大42Mビット/秒のDC-HSDPA(Dual Cell High Speed Downlink Packet Access)に利用している(図1)。

 同社は保有帯域が少なく、しかも10MHz幅×2が必要なDC-HSDPAを導入しているため、周波数のやりくりが難しい。そのためLTEへの移行やトラフィックの分散といった、成長戦略を描きづらい状況にあると言える。

図1●成長戦略を描きづらいイー・アクセス
1.7GHz帯 15MHz幅×2を保有するイー・アクセスだが、成長戦略を描くためには900MHz帯で15MHz幅×2を獲得したいという。なおイー・アクセスが保有する1.7GHz帯に隣接するバンドが5MHz幅、追加で用意される見込みだ。
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 当初、同社は2012年中にLTEサービスを開始するとアナウンスしていたが、2011年11月4日、それを若干前倒しする形で2012年3月からLTEサービスをスタートすると発表した(関連記事)。基本的にはDC-HSDPAが使用していない1.7GHz帯の残りの5MHz幅×2を使い、最大37.5Mビット/秒のサービスを提供する。

 なおDC-HSDPAを導入していない都心部以外では、1.7GHz帯の10MHz幅×2を割いて、最大75Mビット/秒のサービスとする。「ブランド面からも、LTEの先進性、最速というイメージが重要」(阿部基成執行役員副社長)と、周波数帯のやりくりが難しい中でのLTE移行の意義を語る。

成長戦略を描くために追加帯域が必要

写真1●900MHz帯の割り当て審査の公正を期するよう総務省への要望書を読み上げる、イー・アクセスのエリック・ガン社長
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 そんなイー・アクセスが成長戦略を描くには、やはり周波数帯の追加割り当てが大きな意味を持つ。選択肢としてあるのが、700M/900MHz帯と1.7GHz帯の拡張だ。

 前者については「900MHz帯の取得を目指すことしか考えていない。2012年から利用できる点が大きな意味を持つ」(阿部副社長)と、同周波数帯を熱望するソフトバンクモバイルとの真っ向勝負も辞さない考えだ。

 危機意識の表れなのか、同社は総務省に対して900MHz帯の割り当てについて客観的かつ公正を期するよう再三にわたって要望書や意見書を提出している(写真1関連記事1関連記事2)。ただ、総務省が10月中旬に出した900MHz帯の割り当て案は、イー・アクセスのような加入者数が少ない事業者にとって不利な審査項目が含まれており、同社は厳しい状況に置かれている(関連記事)。

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