企業ユーザーがAndroid端末を安心して利用できるようにするために、標準では足りないセキュリティ機能を独自に開発し、OSレベルで組み込んで強化してしまおう---。NECが販売しているAndroid端末「LifeTouch セキュリティモデル」は、そんな野心的なAndroid端末である(関連記事:NEC、独自にセキュリティを強化した企業向けAndroid端末2機種を発売)。いったいどんな端末なのか、関心を持っているITpro読者も多いだろう。実際に端末を借りて評価する機会を得たので、これから3回に渡って短期集中レビューをお届けしよう(注:11月9日にNECが同シリーズにタブレット端末を1モデル追加したが[関連記事:NEC、企業向けセキュリティ強化型7インチAndroidタブレット新モデルを発売]、搭載するセキュリティ機能については同一である)。

 第1回となる今回は、2種類ある端末をそれぞれ実際に触ってみてのファーストインプレッションと、同モデルが独自に実装したセキュリティ機能の一つであるVPN(Virtual Private Network)機能についての接続検証結果などを中心に紹介する。第2回ではプロキシ接続機能などVPN以外のネットワーク機能について解説し、第3回は端末の管理やデータ保護機能について見ていく予定である。

 レビュー本編に入る前に、まずは「企業ユーザーの立場から見た場合のAndroidセキュリティ事情」について説明するところから話を始めよう。ここをしっかり押さえておかないと、なぜ独自にセキュリティ機能を強化する必要性があるのかという根本部分からあやふやになる。

Android標準では企業向けセキュリティ機能が不足

 スマートフォンやタブレット端末を社員に持たせてTCO(Total Cost of Ownership)削減や業務の効率化を図りたい---。そう考えているユーザー企業は、現在ではかなりの数(割合)に上るのではないだろうか。

 実際に導入するかどうかはさておき、営業や販売活動、あるいはサポート業務など社外で活動する時間が多い社員を抱える企業なら、業務で使用する端末を新たに選定する際に「ノートパソコンかそれともスマートフォン/タブレット端末か」という選択について少しも考えないなどということはまずないはずだ。ほんの2年ほど前まではこうした選択肢はほとんど考慮されなかっただろうから、わずか2年ほどの間に状況は大きく様変わりしつつある。

 仮にスマートフォンやタブレット端末の導入を選択したとして、次にユーザー企業が迫られるのは「OSプラットフォームを何にするか」という選択である。現在の市場シェアから見て、これは事実上「iPhone/iPad」(iOS)にするか「Android端末」にするかの二択になるだろう。

 選択の基準は企業によって様々だろうが、Android端末を積極的に選ぶ理由としては、端末のバリエーションが豊富なこと(例えばiOS系端末にはない7インチサイズの端末などが選べる)や独自に開発した業務アプリをインストールしやすいこと(マーケットを介さずに簡単に導入できる)などが上位にランクインするのではないかと思われる。

 ただし、そうしたメリットが得られる半面、多くの企業にとってはAndroid端末の導入に当たって「セキュリティ」が心配の種になるであろうことは間違いない。2011年に入ってAndroidを狙い撃ちするウイルスがいくつも出現して話題になったように、ウイルスに対する基本的な備えが不足していること以外にも、現状のAndroidには企業が導入する上で必要となりそうなセキュリティ機能が実はいくつか欠けているからだ。

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