Windowsのファイル共有機能を提供する「Samba」の新版3.6が2011年8月9日にリリースされた。Windows Vista以降で採用された新プロトコトル「SMB 2.0」に対応し、ファイル転送などが高速になった。

 Linuxを含むUNIX系OSで、Windowsネットワークのファイル/プリンター共有機能を実現する「Samba」。その新バージョン3.6では、ファイル/プリンター共有のためのプロトコル「SMB(Server Message Block)」の新バージョン2.0に対応した(表1)。従来のSMB 1.0と比べて、ファイル転送などが高速になる利点がある。

表1 Samba3.6の主な強化点
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 SMB 2.0はデータ転送を高速化するため、大きく改良されている。(1)1つのパケット(通信データの基本単位)で複数のコマンドを運べる、(2)パケット送信の確認応答を待たずに次のパケットを送信できる、(3)通信バッファーサイズを拡大した、といった点だ。

 データ転送速度の差は、マシン間の通信距離が長く、遅延(レイテンシー)が大きいときに特に大きくなる。従来のSMB 1.0のように、1個のコマンドを送るたび、あるいはデータを細かいパケットに分けて送るたびに応答通信を待つ必要がなくなったからだ。SMB1.0は元々、パソコンLANが登場した1980年代に開発された。レイテンシーが大きくなる遠距離通信で利用することは想定していなかった。

 実際の利用例としては、自宅からオフィスにVPNで接続し、ファイルサーバーにアクセスするといったケースがあるだろう。そうした際、2倍以上の性能差が出る場合がある。

 Samba 3.6はSMB 2.0がデフォルトで有効になっていない点に注意が必要だ。有効にするには、Sambaの設定ファイル(「/etc/samba/smb.conf」)を図1のように修正する。今後、様々な環境でSamba 3.6が利用され、十分な安定性が確認できた時点で、SMB 2.0がデフォルトで有効になる予定である。

図1 「/etc/samba/smb.conf」を変更してSMB2.0を有効にする
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 なおSMB 2.0が搭載されているのは、クライアントではWindows Vista以降(サーバーではWindows Server 2008)。このため、Windows XPとの組み合わせでは利用できず、通信時にSMB 1.0が自動的に選択される。

出典:日経Linux 2011年10月号 p.7 日経Linux
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