「企業向け」と銘打ったAndroidタブレット端末が相次ぎ登場している。シャープとレノボジャパンは9月上旬に、NECは8月末に新製品の販売を開始。シスコシステムズも7月末から製品を提供している()。企業におけるタブレット端末は、今後本格的な普及期を迎えそうだ。

表●各社が提供する企業向けAndroidタブレット端末
NFC:Near Field Communication
ベンダー名 製品名 提供開始時期 搭載OS 特徴
シャープ RW-T107 2011年9月5日 Android 2.3 近距離無線通信規格のNFCに準拠したICカードのリーダー/ライターを搭載
レノボジャパン ThinkPad Tablet 2011年9月4日 Android 3.1 USBの無効化機能などを搭載
NEC LifeTouch セキュリティパックモデル 2011年8月23日 Android 2.2 無線LANレベルで端末を認証する「IEEE802.1X認証」に対応
シスコシステムズ Cisco Cius 2011年7月31日 Android 2.2 高精細動画によるテレビ会議や、仮想デスクトップ機能などを備える

 各社の製品に共通するのは、個人向けに販売している端末に比べて、セキュリティや通信機能を強化していることだ。

 シャープの「RW-T107」は、近距離無線通信規格のNFC(Near Field Communication)に準拠したICカードのリーダー/ライターを搭載している。FeliCaなどの非接触型ICカードを本体裏面にかざせば、データを読み書きできる。

 例えば、顧客がRW-T107にICカードをかざせば、ICカードに入った顧客情報の読み出しができるので、アパレル関連の接客支援や銀行・保険業の渉外支援ツール、小売チェーン店の会員管理といった用途での利用が見込める。価格はオープン価格で、実売価格は6万円前後のもようだ。

 レノボジャパンの「ThinkPad Tablet」の特徴はセキュリティ強化だ。USBやMini-HDMIなどを無効化する機能などを搭載している。SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の容量によって3タイプの製品があり、直販サイトでの販売価格は、4万7040~6万5940円だ。

 NECの「LifeTouch セキュリティパックモデル」は、すでに提供を始めていた個人向け製品「LifeTouch Note」のセキュリティを強化した製品だ。具体的には、無線LANレベルで端末を認証する「IEEE802.1X認証」に対応したことや、プロキシサーバーを介した通信が可能といった特徴がある。後者については、LifeTouch セキュリティパックモデルが搭載しているAndroid 2.2が元々備えている機能ではなく、NECが独自にOSのカーネルに手を加えることで実現した。価格は5万3000円だ。

 シスコシステムズの「Cisco Cius」は、主な用途として遠隔地での高精細なテレビ会議を想定している。前面と背面に2台のビデオカメラを備えており、同社のテレビ会議システムなどと連携できる。価格は約750ドル(約5万8000円)である。

 これらの製品と違う方向を狙うのが、パナソニックが年内の発売を予定する「TOUGHBOOK」だ。同製品は、屋外の厳しい環境での使用を想定した防塵・防滴などが特徴だ。

出典:日経コンピュータ 2011年9月15日号 p.15
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