2億人を超える人口を抱えるインドネシアは、1人当たりGDPも順調に成長しており、進出する日本企業が増えている。システム構築に欠かせないのが、現地の気質を理解すること。多少のトラブルは「気にしない」と流してしまう。脆弱な通信インフラなどICT(情報通信)環境の課題も依然として多い。

 インドネシアは多くの天然資源、2億3000万人という世界第4位の人口を抱え、近年非常に注目を集める国になっている。日本企業の進出も熱を帯びてきており、2010年の日本からの投資額は約7億ドル(567億円)で、1000社以上が進出済みだ。バリ島やジャワ島といった観光地が有名だが、最近は農工業、資源・エネルギーといった産業が国を支える存在に成長している。

 2010年の名目GDP(国内総生産)は前年比31.3%増の7067億ドル(57.3兆円)と、東南アジア圏ではインドに次ぐ規模を誇る(図1)。一人当たりのGDPも、2010年に3015ドル(24万4000円)となった。3000ドル(24万3000円)を超えると耐久消費財の購買が増えるとされており、インドネシアが巨大市場に変貌しつつある証左といえる。同国政府は2014年までの目標として4500ドル(36万5000円)を設定している。

図1●インドネシアの名目GDP(2010年)
東南アジア圏ではインドに次ぐ規模を誇る
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 現地報道によると、インドネシア政府は、同国のICTビジネスが2009年は300兆ルピア(約2兆8000億円)、2010年には325兆ルピア(約3兆円)と順調に成長中だとアピールしている。

IT企業に選択肢

 急成長を遂げるインドネシアだが、社会インフラ環境は脆弱だ。首都ジャカルタ市内においても停電、洪水など多くの問題を抱えている。停電対策のため、PCを含むすべてのICT機器にUPS(無停電電源装置)をつけるほどだ。交通渋滞もすさまじく、ジャカルタ市内の夕方には目の前のビルに移動するのに30分かかる。

 ネットワーク環境も同様に脆弱で、価格も割高だ。海底ケーブルはメインルートがシンガポールに集中しており、インドネシアでは本数も限られている。そのため、国際ネットワークは東南アジアの他国よりも高止まりしている。国内ネットワークについても、回線品質、価格、サービスといった多くの面で脆弱な環境にある。ただし、1989年にインドネシア政府が通信事業への民間参入を認可して以来、新興の通信事業者が登場して競争が始まりつつある。今後はサービスの充実と品質の改善も期待できそうだ。

 業務システムの構築を手掛ける企業は、インドネシア資本から日系、欧米系まで様々な選択肢がある。インドネシア資本のシステムインテグレータとしては、総合ICTグループであるメトロデータや、IBM製品に強いインティコムが有名だ。グローバル企業では米IBMや南アフリカのディメンション・データの名前をよく耳にする。日系企業ではNTTインドネシア、富士通、NEC、ネットマークス、そしてパスコとセコムが出資するヌサンテラ・セコム・インフォテックといった企業が活動している。

 インドネシアでは外資企業に対する規制が強く、上記の外資、日系ベンダーの大半はインドネシア資本が入っている。そのため、中身はインドネシア企業同然ということもある。

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