ブログで宣伝し、Twitterで消費者とコミュニケーションを図り、動画配信サービス「Ustream(ユーストリーム)」で製品開発のアイデア会議を生中継する。会議の生中継では、Twitterを利用して見ている消費者と意見交換しながら、製品化に向けたアイデアを練る。Twitterで集めた意見を基に製品を開発し、4カ月後に試作品が完成したら再びUstreamで消費者に発表する─。

 新しいウェブサービスを使いこなして消費者を巻き込みながら、新製品の開発を進める企業がある。新進気鋭のベンチャー企業ではない。創業60年の歴史を持つ村田製作所だ。

 このアイデア会議を開いたモジュール事業本部ソリューションサービス部の児堂義一部長は、ソリューションサービス部を「当社では異色の存在」と表現する。電子部品が主力の村田において、ソリューションサービス部は無線LAN向けのソフトウエアを開発・販売しているからだ。

 無線LANのソフトウエアは同社が得意な電子部品とはビジネスモデルが全く違う。村田を起点とした「BtoBtoC」のビジネスモデルだ。ソフトウエアはハードウエアに組み込まなければ動作しないため、無線LANを利用するハードウエアメーカーとの協業が必須となる。村田のソフトウエアを組み込んだハードウエアは、消費者向けに販売されるケースもある。

取引先への提案につなげる

 ソリューションサービス部の課題は認知度の向上だった。電子部品で「村田製作所」といえばブランド力もあり、プロモーションや営業のノウハウも社内に蓄積している。一方で無線LANは同社にとって全くの新規分野。ノウハウがなかった。

 そこでソリューションサービス部がまず目をつけたのが、2009年6月から始めたブログだ(図1)。製品紹介ではなく、無線LANの技術を会話調で分かりやすく紹介する。児堂部長は「IT製品ならITらしくと考えてブログから情報発信を始めた」と話す。2010年1月には「@MurataWiFi」のアカウントを取得し、Twitterも開始した。

図1●村田製作所で無線LANソフトウエアを開発する部門はブログやTwitterをもともと活用していた
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 「ブログもそれなりの効果はあったが、それだけではプロモーションに物足りなさがあった」とソフトウェアソリューション開発課の能澤伸幸係長はTwitterを始めた理由を話す。ブログと異なり双方向性のあるTwitterでは、「消費者の声を聞くことを重視している」とソフトウェアソリューション開発課の池田知穂氏は付け加える。この池田氏がブログやTwitterを担当している。

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