1. チーム4 人がリスク覚悟で不慣れなOSS を採用し、通販サイトの短期開発に挑む
2. 終盤になって追加の機能要求が続出したため、商品軸による整理で優先順位付け
3. 第三者によるチェック体制を構築し、OSS のアドオン開発を最小化

 山形県庄内地方は、肥沃な平野を擁し、庄内米を産する米どころとして知られる。ほかにも、山形さくらんぼ、だだちゃ豆(大豆の一種)、庄内産メロンなど、ブランド化した農産物をいくつも抱える。

画面1●構築した通販サイト
顧客に対してダイレクトな販促を行うため、自社の通販サイトを構築した
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 元青果は、そんな庄内地方に本社を構える農産物の流通業者である。主力は農産物を市場で仕入れて小売店に卸す仲卸業であり、一般消費者向けのインターネット通販も手掛けている。従来は楽天市場に出店してきたが、ネット通販が軌道に乗るにつれ、独立した通販サイトを持ちたいという声が社内で大きくなった。楽天市場を介さず顧客とダイレクトにコミュニケーションを取り、自由度の高い販促策を講じるためである。そこで2010年4月に自社の通販サイトを立ち上げた(画面1)。

 そのシステムの開発は、決して簡単なものではなかった。不慣れなオープンソースソフト(OSS)を使うことになり、開発期間も短かった。そうした状況にもかかわらず、プロジェクト終盤になって、追加の機能要求が次々と発生する、想定外の仕様が見つかる、という問題に直面した(図1)。

図1●プロジェクトの開発体制とスケジュール
コストを切り詰めるため、4人の開発チーム体制で臨んだ。しかも不慣れなEC-CUBEを採用し、10週間という短期開発に挑んだことで、二つの問題に直面した
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 そうなったのには仕方がない面がある。地方の仲卸業者である元青果はシステム開発の経験が豊富とはいえず、通販サイトの開発を外部に委託する必要があった。元青果にとって、そのためのコスト負担は小さくなかった。そこで低予算でシステム構築を引き受けてくれるITベンダーを探したが、なかなか見つからなかったという。取引先の紹介で、ようやく東京・渋谷のソフト開発会社アンツビズシェアと契約を結んだのは、ベンダー探しを始めて数カ月たった2010年1月20日のことだった。

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