2012年4月入社に向けた採用活動が、これから山場を迎える。東日本大震災の影響で採用活動を一時中断した企業が相次いでいるため、今年は6月頃から書類選考や面接が本格化しそうだ。

 就職活動中の学生から見て、IT業界各社はどのように評価されているのか。日経コンピュータと楽天の就職活動支援サービス「みんなの就職活動日記」は、2012年3月卒業予定の学生を対象に「IT業界 就職人気ランキング」調査を共同で実施した(調査概要は別掲記事参照)。

 調査結果からは、ITの仕事に従事している社会人の評判とは少し違ったIT業界各社の姿が浮かび上がってくる。「学生はあらゆる情報を集め、就職志望先を値踏みしている。学生の評価は会社の将来性を測る、一つの指標と考えてよい」と、楽天の矢下茂雄みんなの就職事業長は強調する。

 あなたの会社は、学生からどう評価されているのか。総合、分類別、志望理由別など、様々なランキングを見ていこう。

大手ITがトップ10を占める

 総合ランキングのトップ10の顔ぶれは、前回の調査と大きく変わっていない。総合1位はNTTデータ、2位は富士通、3位が楽天である。システムインテグレータ(SIer)、メーカー、ネット企業のトップクラスが名を連ねた格好だ(図1)。NECと伊藤忠テクノソリューションズは、初めてトップ10に入った。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
図1●IT業界における就職人気の総合ランキング

 範囲を広げてトップ100の顔ぶれを見ると、躍進企業とそうでない企業に明暗が分かれた。最も順位を上げたのは41位のアイ・ティ・フロンティアだ。前回(102位)から61位も順位を上げた。上昇率で続くのは、51位の都築電気(前回より34位上昇)、82位のオージス総研(同33位上昇)である。これに対し、トップ100のランク外に順位を落とした企業も12社ある。

 2年連続で1位を獲得したNTTデータは、2010年8月から2011年3月まで全国で100回以上のセミナーや説明会を開催し、延べ1万8000人の学生と接触した。

 2012年春採用のプロセスは従来と変わっていないが、「ITベンダーの色合いを薄め、社会を“変える”企業であるメッセージを強く押し出した」と、福田昭弘人事部採用担当課長は説明する。さらに、「ITの話はせず、まずは“働く意義は何か”を伝えてきた。こうした活動が、不安を抱える最近の学生の心に響いたのではないか」と福田課長はみる。

 昨年に続き2位の富士通は、ユニークな採用活動で学生の関心を集める。その一つが2011年春採用から始めた「チャレンジ&イノベーション採用」だ。この4月には、シンクロナイズドスイミング日本代表や囲碁学生日本一など、一芸に秀でた12人が入社する。

 新入社員540人に占める割合はわずかではある。だが、「学生時代の活動や個性を重視する姿勢を示したことで、これまでITに見向きもしなかった優秀な学生が、当社に関心を持ってくれるようになった」と豊田建 人材採用センター長は説明する。

調査概要
みんなの就職活動日記(楽天)が主体となり、日経コンピュータの企画協力の下、就職活動支援サイト「みんなの就職活動日記」上のWebアンケートと、就職イベント会場における紙アンケートを実施した。調査期間は2010年12月13日~ 2011年2月9日。調査対象は2012年3月卒業予定の学生で、有効回答者数は1795人である。調査ではノミネート企業193社から、就職を志望する会社を選択させ(7社以上10社以内)、同時に志望理由などを尋ねた。総合ランキングは回答件数を単純合計して算出した。
出典:日経コンピュータ 2011年3月31日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。