IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。(毎週月曜日更新、編集:日経情報ストラテジー

ITベンダー社内での雑談
ダメな“システム屋”の会話 ダメな“システム屋” 「やっぱり広告代理店の人ってすごいよな」
同僚“システム屋” 「どうしたの?」
ダメ 「実はね、ある顧客企業向けにウェブサイト構築案件の提案準備をしていて、アイデアが足りないから広告代理店の人を呼んだんだ」
同僚 「うんうん」
ダメ 「僕らは業務知識はあるけど、今回の案件は業務に直結する話じゃないもんな」
同僚 「ふむふむ」
ダメ 「顧客企業の課題意識も漠然としているし、何がどこまでできるかも分からないじゃない?」
同僚 「はいはい」
ダメ 「広告代理店の人ってまだ若いのに『これが狙いじゃないですか』『それならこういう方法もありますよ』とかって、顧客企業の要望を先取りしているような提案がどんどん出て来るんだよ。すごいよね」
同僚 「そうなんだ」
ダメ 「僕らは、『こうしたい』って言われればそれに対応するのは得意なんだけど、課題が漠然としたまま『何かないか』って言われた時には困るよなあ。考えの糸口というか方向性というか、全然見えてこないんだよな」
同僚 「ふーむ、なるほどね」
ダメ 「な、広告代理店の人はすごいだろ?」
同僚 「確かに広告代理店の人はすごいのかもしれないけれど、なんか、我々がすごくないっていう話にも聞こえるけどね」
ダメ 「え?」
同僚 「だってさあ、我々は言われたことしかできない、って言ってるようなものじゃない?」
ダメ 「あっ、そうかもしれないね・・・」

ダメな理由:要件が無ければ仕事できない

 大型連休前の第33回は「やらなかった後悔を自慢するダメな“システム屋”」について書きました。今回は別のタイプのダメな“システム屋”の行動様式を指摘したいと思います。冒頭のエピソードのような、「要件依存症」とでも言うべきケースです。

 例えばレストランに入った時、そのレストランにはメニューがなく、顧客のオーダー通りに何でも作ってくれるとしましょう。

 「オムレツを作ってくれ」と言えば、「卵は何個にしますか」と聞かれます。「2つ」と言えば「卵にも大小がありますが」と言われます。「ベーコンを入れてほしい」と言えば「何センチに切りますか」と聞かれます。「玉ねぎを入れてくれ」と言えば「何グラムにしますか」。さらに「塩加減は強めですか」「コショウはどうしますか」とさんざん聞かれるとします。

 しかし、出て来たオムレツはおいしくありません。「付け合わせが無い」と文句を言えば、「だって、付け合わせが必要だと言わなかったじゃないですか」と返されます。

 こんなレストランに入りたいと思いますか。「プロだったら、客に良いと思うように考えて作れ!」と叫びたくなりますよね。

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