図3●太陽生命保険が利用する診断書(カルテ)の電子化サービスの例
オペレーターが手書きの診断書を判読し、電子データを入力する
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 BPOによる業務品質向上の一例を示そう。まずは図3を見てほしい。日本の医師が書いた診断書のうち、経過を記す「所見欄」の手書き文字と、それを大連のオペレーターが読み取り文字データとして入力した結果だ。これは手書きの診断書から文字データを得る業務であり、太陽生命保険がインフォデリバに委託している。

 見て分かるように、手書き文字は日本人でも判読が難しい。ところが大連のオペレーターは、これらを難なく判読する。読めない文字は月平均で7文字以下。これは26人のオペレーターの合計値であり、一人当たりで見ると読めない字は4カ月に1字程度しかない計算になる。誤入力も1万文字のうち平均94字しかない。オペレーターの日本語レベルは、読み書きができる程度。にもかかわらず、文字判読とデータ入力の訓練を重ねることで、ここまで成果を出す体制を築いた。

 太陽生命はここで作成した文字データを、保険金の給付査定システムの入力データに利用している。「保険金の不払い問題を受けて、保険金を請求されてから支払うのでなく、支払える可能性のあるものを調査・案内するように変えるのに、診断書の文字データの正確性は必要不可欠だった」。太陽生命の細川敏男執行役員お客様サービス本部長はこう明かす。

 インフォデリバのオペレーターの業務品質は「日本人以上だ」と細川執行役員は言い切る。ここまで業務品質を高められた理由について、細川執行役員は次のように説明する。「訓練を重ねて業務品質を高めるという日本流の品質改善策を、中国人経営者からオペレーターまで、インフォデリバの人たちが受け入れてくれたことが大きい。オペレーター一人ひとりが熱意を持って訓練に当たってくれた成果でもある」。

出典:日経コンピュータ 2011年3月3日号
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