アビームコンサルティング
フェロー
徳田 弘昭

 経済的で、かつ実務に使えるIT統制の進め方を解説するこの連載では、経営活動の総合的な把握を困難にしている5つの断絶があり、それを克服するための6つの仕組みが必要となることを説明しています。6つの仕組みは以下の通りです。

(A)業務プロセス全体の可視化
(B)業務プロセスとアプリケーションの接続
(C)正確な稼働記録の獲得
(D)関連情報のDB化
(E)関連情報の自動獲得
(F)関連のトレースと表示

 前々回(プロセスを可視化し、業務とアプリを接続する)は(A)業務プロセス全体の可視化と(B)業務プロセスとアプリケーションの接続、前回(システムの稼働状況を記録する)は(C)正確な稼働記録の獲得と(D)関連情報のDB化をそれぞれ取り上げました。今回は(E)関連情報の自動獲得を説明します。

管理の仕組みは独立している

 (D)までの工程によって、経営管理のための管理モデルが定まります。次に必要になるのは、モデルに含まれる各要素のデータを獲得する作業です。

 例えば、予算統制を整備するためには、費目や部署、予算額といった予定と実績にかかわるデータを獲得する必要があります。一方、人事管理を実現するには、個人ごとのキャリアプランや配属の計画と実績、業績評価などのデータを獲得しなければなりません。

 これらのデータは予算管理システムや人事管理システムから取得できます。問題は、予算統制と人事管理の関連がほとんど意識されていないことです。企業や組織内の「XX管理」と呼ばれる仕組みはそれぞれ独立しており、企業・組織全体としての総合的な視野の獲得への大きな障害となっている場合が多いのが現状です。

 では、どうすればよいでしょうか。こうした独立した仕組みの間に「互いをつなぐ情報のルート」を確立することができれば、全体がより明確に見えるようになるはずです。上記の例であれば、「各個人がどの組織に所属しているか」という情報を追加すれば、「個人---組織---費目---予算」という関連が把握できます。それによって、予算統制の範囲を個人レベルにまで拡大できるのです。

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