メールマガジンの訴求力が落ちているのではないか。そう考えたネスレ日本は、スマートフォン向けの販促用アプリケーションや、携帯電話向けゲームの開発に余念がない---。前回に引き続き、儲(もう)けるモバイル販促システム作りのノウハウを解説する。今回はステップ5~7だ(図1)。ネスレ日本をはじめ、なか卯やブックオフコーポレーションなどの事例を併せて紹介する。

図1●モバイルマーケティングを成功させる七つのステップ
今回はステップ5~7を解説する。
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【ステップ5】 メルマガに頼りすぎない

 モバイル端末への情報発信手段としては、メールマガジンが一般的だ。HMVジャパンのように、工夫次第ではパーソナライズした情報を顧客に送信できる。

 一方で、電子メールの訴求力が落ちてきていることを指摘する声もある。世界最大の食品メーカーであるネスレグループの日本法人、ネスレ日本の揖斐理佳子ウェブ&モバイルコミュニケーション室長もその一人だ。

 「メールマガジンに記載したURLを会員がクリックする割合は、10年前は75%を超えることもあった。それが数年前に30%台後半に落ち、最近では20%程度しかない。電子メールに代わる情報発信の場が必要になった」。揖斐室長はこう打ち明ける。

 ネスレ日本は、自社のメッセージやブランドイメージを顧客に伝える新たな媒体として、iPhoneやAndroidスマートフォン向けのアプリケーションと、携帯電話向けゲームを重視している。「アプリやゲームを通じて、当社が健康管理や栄養管理を重視する企業であることを伝える」(揖斐室長)。

 2010年11月には、iPhone向けに4種類の無料アプリケーションを公開した。レシピ、体重管理、カロリー管理と、それらすべての機能を持つアプリである。2009年6月に公開した、日本初のiPhone向けレシピアプリ「ネスレココロとカラダのバランスレシピ」の後継版との位置付けだ。Android版や歴代のアプリをすべて合わせると、ダウンロード数は60万件を突破している。

 2010年10月には、携帯電話向けゲーム「N君を探せ!」を公開した(図2)。携帯電話の位置情報を使って遊ぶ、いわゆる「位置ゲー」で、プレーヤーの現在地と日本中を移動するN君の位置関係によってゲームの内容が変わる。

図2●ネスレ日本が2010年10月に開始した携帯向けゲーム「N君を探せ」の画面
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 ゲームの中では食器や家具を収集したり、体重や摂取カロリーを管理したりできる。これは、プレイ時間を長くするための工夫だ。消費者がネスレを想起する時間を増やすのが狙いである。

 ただし、ゲーム中でネスレ商品をしつこく紹介しない。N君が「神戸には神戸プリン風味のキットカットがあるよ」と話し掛けるなど、さりげなく会話の中に登場させる程度である。

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