この10年間ほどで、Webの世界はめまぐるしい変化を遂げ、いまなお進化を続けています。情報発信としてのWebサイトだけではなく、サービス提供、開発支援のツールなども増加し、Webは様々な利用をされるようになりました。この特集では、この先の10年につながる今後のWebとそれを支える注目技術を紹介していきます。ですが、その前に、まずこれまでにWebがどのように変化してきたか。近代史を振り返ります。

 2000年ごろから「Flash」を活用したサイトが増え始め、Webサイトは表現的にも華々しいものとなっていきました。それまでの無機質なインタフェースだけでなく、情緒的な演出として、また直感的な操作を促す効果として、随所に使われるようになってきています。この傾向は徐々に強まっていき、2007年には「Silverlight」も登場しました。

 並行して、「JavaScript」も脚光を浴びました。以前はWebブラウザの処理性能が充分ではなく、JavaScriptでHTMLの大部分を書き換えるような処理や視覚的な表現を行うと、実用的なパフォーマンスを発揮できませんでした。しかしハードウエアとソフトウエアの性能がともに向上しパフォーマンスの問題が解消されると、2005年のAjaxブームをきっかけに様々な場面で利用されるようになりました。

 これらの技術が成熟してくると、Webアプリケーションの画面構成にも影響を及ぼします。「RIA(Rich Internet Application)」と呼ばれるWebアプリケーションが増えてきたのです。これは、通信と画面の描画を分けることにより画面遷移の通信ストレスを減らし、視覚的にも適切な演出効果を用いることで直感的な操作とフィードバックを提供するGUIを採用したものです。

 Webサイトやサービスが変化してくると、そこで利用されるWeb標準技術も変化します。機能や表現の向上が求められるだけでなく、スマートフォンに代表される新しいタイプのデバイスが増えたことも変化を後押ししました。FlashやSilverlightのようなプラグインが必要だった拡張的な機能を標準的なものとして取り込み、異なるデバイスや環境でも利用できるよう、統一された汎用の技術仕様として定義する動きです。

 2008年には「HTML5」の仕様策定が始まり、共通メディアフォーマットが検討されました。同時に「CSS3」の策定も進められました。これらの動きが始まった当初は、新たな技術仕様が策定から勧告されるまでには長い年月を要し、ブラウザがその技術に対応するにはさらに長い期間が必要であるというイメージが持たれていました。実際にWebサイトで利用できるまでには10年から20年はかかる、とまで言われていました。

 しかし、この時期、ブラウザ開発が思いのほかスピーディに進められます。HTML5やCSS3は仕様の勧告前であるにもかかわらず、近い将来には新たなWeb標準として定着しそうな勢いでWebサイトへの実装が始まっています。

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