スマートフォンに押されているといわれる日本の従来の携帯電話だが、冷静に見れば今なおその市場は大きい。日本の携帯電話利用者の9割以上が従来型携帯電話(フィーチャーフォン)を使っており、そこに向けたモバイルコンテンツ関連市場は1兆5206億円。そのうち、純粋なコンテンツ市場は5500億円規模と非常に大きい(出典:モバイル・コンテンツ・フォーラムの報道資料[PDF])。他のコンテンツ産業と比べてもかなり大きく、かつてほどの伸びはないとはいえ、このモバイルコンテンツ市場は対前年比10%を超える成長率を誇っている。

従来型携帯電話の市場にスマートフォンの自由度をプラス

写真1●NTTドコモがiモード端末向けに提供する「ドコモマーケット(iモード)」内の「アプリストア」
写真1●NTTドコモがiモード端末向けに提供する「ドコモマーケット(iモード)」内の「アプリストア」

 とはいえ、従来のいわゆる公式サイトを中心とした有料課金コンテンツは、提供できるのが法人に限定されており、さらに厳しい審査を通過しなければコンテンツを提供すること自体ができなかった。そのため個人のアプリ開発者の収益源は、自身のWebサイトに掲載する広告などに限られていた。

 また従来型携帯電話向けのアプリはスマートフォンと比べ、利用者保護の観点から、データ通信の扱いや位置情報の利用など、多くの機能に制限が設けられていた。そのため、自由度の高さを重視する傾向が強い開発者からは、どちらかといえば敬遠されていたといえるだろう。

 そこでNTTドコモは、従来型携帯電話が持つコンテンツ市場の大きさと、スマートフォンが持つアプリの自由度の高さを組み合わせたサービスとして、iモード端末向けの「ドコモマーケット(iモード)」内に、「アプリストア」(写真1)というアプリ専用のマーケットを設けたのである。

アプリストアは公式コンテンツとどこが違う?

 アプリストアで提供できるのは、iモード端末で動作する一般的な「iアプリ」である。アプリの開発言語にはJavaを使う。アプリの配信にはアカウント情報登録(年間2500円のシステム利用料が必要、ただし2011年1月末までに申し込むと登録日の1年後の月末まで無料)が必要となるが、スマートフォン向けマーケットとは異なり、資料はすべて日本語で用意されているほか、円での支払いとなるため為替の動向を気にする必要がなく安心度は高い。

 アプリストアの課金体系は個別課金(ダウンロード課金)と、月額課金の2種類。個別課金の場合はドコモポイントによる支払いも可能となっている。公式コンテンツで大きな効果を発揮していた月額課金が最初から用意されているので、より収益が得やすい構造になっているといえる。収益の分配は、NTTドコモが2割を手数料として取得し、開発者に支払われるのは8割となる。スマートフォンと比べれば割合は高いが、公式コンテンツと比べると低くなる。

 アプリストアはスマートフォンのマーケットを意識して作られており、アプリの掲出の仕方なども似ている。従来のiモード向け公式コンテンツとは異なる要素も多い。中でも大きな違いとして挙げられるのは、法人だけでなく個人も同じ土俵でアプリの提供が可能な点だ。個人開発者がキャリア課金を利用して収益を得ることができる点も従来とは大きく異なる点である。

 さらにアプリへの導線も魅力である。アプリストアを利用すれば、個人であってもNTTドコモの公式ポータルである「iメニュー」を経由したアプリへの導線を獲得できる可能性がある。

 個人や、これまで“勝手サイト”でサービスを運営してきた開発者にとってみれば、これまでは公式サイトにしか認められていなかったiアプリDXのAPIなどの一部が利用できるのもメリットである。位置情報の利用や電話帳の参照、メーラーとの連携など、従来と比べて開発するアプリの自由度はかなり高まることとなる。

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