スマートフォン向けアプリマーケットとして最もよく知られているのが、米アップルのiPhone/iPad/iPod TouchなどiOS搭載機器向けに提供されている「App Store」だ(写真1)。App Storeは2008年に開始され、現在では20万を超えるアプリが公開されている。アプリマーケットとしては世界最大の存在だ。

iOS向け専用マーケット、個人・法人問わず参入しやすい

 App StoreはiOS搭載機専用のマーケットであり、iOS向けアプリは基本的にApp Storeから独占的に提供される形となる。国内のスマートフォン市場では現在、iPhoneが8割近くのシェアをおさめている状況であるほか、App Store自体90カ国へのアプリ配信が可能であり、アプリマーケットとしては最大規模となっている。それゆえ現在のスマートフォン市場を意識するなら、App Storeは最も重要なマーケットということになるだろう。

 開発者がApp Storeへ参入するハードルは比較的低く、個人・法人は問われない。Apple Developer Connectionに開発者登録をし、「iOS Developer Program」(写真2)に加入すればよいだけだ(年間99米ドル、約1万800円が必要)。米アップルとの手続きになるため英語の知識は多少必要だが、App Storeスタート時に比べれば、最近は申請方法などについて必要な情報が提供されており、容易に登録できるようになっている。アプリの審査は比較的厳しい体制がとられている。App Storeに登録されたアプリの健全性は高い方だといえる。

写真1●iPhone/iPod Touch/iPad向けのアプリマーケット「App Store」
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写真2●App Storeでアプリを配信するには「iOS Developer Program」への加入が必要
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手数料は3割、ドル建てで為替レートは固定

 有料アプリの課金形態は、アプリ1本当たりの価格を付けて販売するダウンロード課金方式と、アプリ内で課金ができる“In App Purchase”の2通り。ただし後者を実現するには、別途外部サーバーの運用が必要な場合があるなど、ハードルは高くなる。

 有料アプリを販売する場合の収益分担は、アップル側が手数料などとして3割を徴収し、7割が開発者に入る計算となる。携帯電話向けコンテンツと比べると手数料は高いが、次回の「多様化が進むAndroid向けアプリマーケット」で解説するAndroidマーケットなどと同様、スマートフォンでは一般的な体系となっている。ただし、支払いはドル建てとなるほか、為替レートも固定されており、現状は円高が進むほど収益的には不利になるということは覚えておきたい。

 App Storeでユーザーがアプリを購入する際の決済手段は、クレジットカードのほかプリペイド式のiTunesカードを利用できる。クレジットカードを所有していない人でもアプリの購入自体は可能であり、iTunesで楽曲を購入したことがあるユーザーであれば、利用しやすい。

 アプリが動作するハードウエアが限られている点も、開発者にとってはメリットとなる。当然だが、iOS搭載機器はアップルが単独で提供しているため、そもそも機種数が少ない。携帯電話や、急速に数を増やすAndroid搭載スマートフォンは、機種数が多くスペックもばらばらである。そのため、アプリをそれぞれに対応させるための負荷が大きい。だがApp Storeであれば、iPhoneとiPod Touch、iPadだけであり、iOSのバージョンの違いを考慮する必要はあるものの、機種ごとの調整にかかる負担は大幅に軽減される。

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