写真1●富士通マーケティング「GLOVIA smart 会計 きらら」の展示ブース
写真1●富士通マーケティング「GLOVIA smart 会計 きらら」の展示ブース
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 ITpro EXPO AWARD 2010の優秀賞を受賞した「GLOVIA smart 会計 きらら」は中堅企業向けの会計業務アプリケーションソフトである(関連記事)。2010年10月1日に発足したばかりの富士通子会社・富士通マーケティング(FJM、関連記事)が開発・販売し、ITpro EXPO 2010の展示会で初めて一般公開した。

 「きらら」はSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)・クラウド版と、パッケージ版の両方を用意。ただし、ITpro EXPO 2010のブース(写真1)では、パッケージ版は前面に出さず、ほぼクラウド版の説明に徹していた。「販売・マーケティングの軸足はあくまでクラウド版に置く」。FJM ソリューション事業本部GLOVIAビジネス統括部プロモーション部の梶山亮プロジェクト部長はこう説明する。

経理担当者の“手入力”に配慮した設計

写真2●「きらら」の入力画面。キーボードで効率よく入力できるように工夫されている
写真2●「きらら」の入力画面。キーボードで効率よく入力できるように工夫されている
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 「きらら」が対象にしているのは年商30億~100億円程度の規模の企業におけるシステムである。利用時間が限られる「コンパクトプラン」で月額9800円という手ごろな価格のプランを用意していることもあり、実際には、さらに小規模の企業からも引き合いが多いという。2013年度までに合計1万社への提供が目標だ。

 「きらら」の契約をした企業は、インターネットに接続したWindowsパソコンとウェブブラウザさえあれば、仕訳入力や決算処理などの機能をすぐに利用できる。マイクロソフトの「スマートクライアント」技術を採用しており、初回接続時にソフトが自動的にダウンロード・インストールされる。使い勝手はパソコンにインストールしたクライアントソフトとまったく同じだ。

 電子化が進んでいる大企業とは異なり、中堅企業では社内や取引先とのやり取りに紙の伝票が多く使われる。FJM ソリューション事業本部GLOVIAビジネス統括部共通業務ソリューション部の和田幸子氏は「紙の伝票と画面を両方見ながら、キーボードで素早く入力できるよう、画面デザインと操作性には細心の注意を払った」と説明する。画面の色彩・デザインは、富士通グループで家電製品などの設計に携わる専門家が人間工学の観点から検討。経理担当者が毎日画面に向かっても疲れないよう配慮したという(写真2)。

 入力作業を効率化するため、なるべくマウスを使わず、最小限のキーボード操作で処理できるよう工夫している。例えば、キーボード上部のファンクションキーに特定の仕訳や定型文を割り付けたり、「*」キーを押すだけで帳簿を転記できるようにするなど、慣れれば便利な“裏ワザ”も数多く盛り込んだ。

キャラクターも雲をイメージ

写真3●クラウドをイメージした「きららちゃん」
写真3●クラウドをイメージした「きららちゃん」
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 「きらら」が対象とする年商30億~100億円規模の企業向け会計ソフトは、PCA、日本デジタル研究所(JDL)、オービックビジネスコンサルタント(OBC、製品名は勘定奉行)など独立系ソフトウエアベンダーが強い分野だ。後発のFJMは挑戦者の立場になる。

 和田氏は「競合他社はパッケージ形態での販売が主。当社はクラウドという新しい切り口を前面に出す」と説明する。日本の中堅企業向けの会計ソフト市場では、伝統的に自社サーバーにインストールして使う「パッケージ型」が主流である。ここにSaaS・クラウドという切り口で参入する企業は過去にあまりない。パッケージ版も46万5000円(2ユーザーライセンス付き)からの価格で販売するが、販売の軸足はクラウド版に置く。

 その証拠に「きらら」という名前は、絶縁体や塗料の原材料として使われる鉱物「雲母(うんも)」の別名に由来する。もちろん「雲=クラウド」の意味合いも込めた。イメージキャラクターは雲を模した「きららちゃん」だ(写真3)。