総務省 利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会は2010年9月21日、「青少年インターネットワーキンググループ(WG)」の第1回会合を開催した。青少年のインターネット利用環境の整備に向けて、2009年4月1日に18歳未満の携帯電話利用者に対してサイトのフィルタリングサービス適用を義務づける「青少年インターネット環境整備法」が施行されている。しかしCGMサービスの利用拡大、出会い系サイト以外で青少年が被害者となる事件の発生など状況が変化していることから、このWGではインターネット利用環境の整備に向けたさらなる取り組みを検討している。

隠語もチェック

 最初となる21日の会合では、現状の把握のために学校関係者や携帯電話向けサイトの事業者などが青少年の携帯電話の利用実態や各自の活動内容を説明した。そのうちの1社であるディー・エヌ・エー(DeNA)は、2000万人を超える会員を持つ自社サイト「モバゲータウン」におけるサイト監視の内容を詳細に説明した。

 モバゲータウンには、会員間のメッセージ「ミニメール」やサークル掲示板、日記といった機能を利用した投稿が1日当たり1000万件以上あるという。膨大な量のために、まずはシステム的に内容をチェックして投稿をブロックしたり、削除したりしている。具体的には、利用者が18歳未満の場合、年齢が3歳以上離れている利用者とのメッセージ送受信ができないようにブロックしている。同様に利用者が18歳未満の場合、3歳以上離れた利用者からの検索ができないような対策も講じている。また、「きもい」「しね」といった違反キーワードを含む投稿を抽出し、内容を確認してブロックしている。

 ただし最近では隠語などを用いてキーワードチェックをすり抜けるような文章が増えているという。例えば携帯電話番号を「090→わらわ」として携帯電話機のキーの文字で表現する、絵文字の丸数字で表現する、といった単純なものから、「やわらかぎんこう→ソフトバンクモバイル」「子どもだよ→NTTドコモ」といった隠語を用いてアドレスを表現するものまである。こうした投稿をチェックするために、過去にルール違反となった投稿をシステムに学習させ、違反確率が高い内容を抽出できるようにしているという。

 監視体制は総勢400名のスタッフが24時間体制でサイト監視を実施している。先ほどのシステムチェックで違反確率が高い投稿を人の目で再度チェックすることに加え、システムではチェックできない動画や画像の投稿内容もすべて目視でチェックしているという。その理由は、違法性のある動画・画像の投稿を見つけるためだけでなく、動画の一瞬の間だけ携帯電話番号やメールアドレスを表示させるといった方法を取らせないためだという。

 ミニメールの内容をチェックすることは、通信の秘密に抵触する恐れがあるとして実施に踏み切っていない事業者が多い。しかしDeNAは利用者の同意を得る形で2007年から他社に先行して実施した。犯罪の件数で検証することはできないが、警察庁などによる捜査関係者からの照会件数は内容チェックを開始した後に明らかに減ったという。

 今後は年齢を詐称登録して青少年に近づくといった行為を未然に防ぐため、年齢認証の強化に取り組む。具体的には携帯電話事業者が契約者から得た年齢情報を活用することである。携帯電話事業者と実施方法について検討しているところだという。

出典:日経ニューメディア 2010年10月4日号 17ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。