限られた時間のなかで重大な欠陥を一つでも多く見つけるため,レビューのやり方に,独自の工夫を重ねている開発現場がある。軽微な欠陥の一括除去や設計書間の整合性の見える化など,現場が編み出したレビューのワザを紹介しよう。

 「設計レビューを実施しても,重大な欠陥を見逃してしまうことがある。そのため,どうすれば効果的なレビューを実現できるか,いつも試行錯誤している」(ウルシステムズ シニアコンサルタント 小森裕介氏)。

 このようにレビューに対して問題意識の高いITエンジニアは,従来のやり方に満足せず,自ら工夫を重ね,独自のやり方を試している。今回と次回は,そうした現場が編み出したワザを,「軽微な欠陥の一括除去」「設計書間の整合性の見える化」「レビューをしやすくする設計」「レビュー会議の無駄の削減」「支援ツールの活用」という五つのテーマに分けて紹介する。

軽微な欠陥の一括除去:繰り返し型の手法が抜群の効果

 最初に取り上げるのは,軽微な欠陥の一括除去である。設計レビューの最大の目的は,重大な欠陥を見つけ出すこと。それには,「あらかじめ軽微な欠陥を取り除いておくことが重要」と,日立システムアンドサービスの杉本幸広氏(公共システム本部 公共アプリケーション推進部 部長)は強調する。

 このことは,経験的に分かるだろう。誤字・脱字や日本語の間違いが多い設計書では,レビューアはそれら軽微な欠陥に目を取られてしまう。軽微な欠陥が見当たらない設計書であれば,重大な欠陥の検出に集中できる。

図1●あいまい表現のチェックシートの例
取材を基に編集部で作成した。あいまい表現はチームでリストアップしておき,原則として使用禁止にしておくとよい
[画像のクリックで拡大表示]

 軽微な欠陥を取り除くにはまず,設計担当者自身によるセルフレビューを行う。そのために,「チェックシートを整備しておくことが有効だ」(杉本氏)。一例として,図1に複数の解釈が可能な「あいまい表現」のチェックシートを示した。

 ただしセルフレビューは,設計担当者によって成果のバラツキが大きいもの。そこで,チームで効果的に軽微な欠陥を取り除く,という取り組みをしている現場がある。

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