iPadを分解し、その無線関連実装を分析する今回の企画。分析を依頼した大手携帯端末メーカーの技術者との会話形式で話を進めていく。第1回は、iPadの無線実装に関する全般的な特徴について取り上げる。iPad(Wi-Fi+3Gモデル)は、携帯データ通信(3G/HSDPA/GSM)、無線LAN、Bluetooth、GPSをサポートする。そのためのアンテナが、外からは分からない形で内蔵されている。しかし分解して内部を見てみると、iPhoneや従来型の携帯電話機に比べて独特な実装が採られている。

利用シーンを意識した5個のアンテナの配置

まずiPadにはいくつのアンテナが使われているのでしょうか。

 通信方式で分けると、大きく3種類に分けられます。無線LANアンテナ、3Gアンテナ、GPSアンテナです。無線LANアンテナと3Gアンテナは2個ずつあります。つまり、全部で5個のアンテナがあることになります。無線LANアンテナはBluetoothと兼用になっています。なお、iPadは3G/HSDPAとGSMに対応していますが、ここでは便宜的に3Gアンテナと呼ぶことにします。

これらのアンテナは、外部からは見えないようですが、どこに配置されているのでしょうか。

 まずタッチパネル側の前面を見てみましょう。ホームボタンの付いている方を下とすると、右上のベゼル部分には3Gアンテナ1があります。そして、左下には、無線LANアンテナ1があります(写真1)。

 背面には、中央部のアップルマークと上部の黒くなっている部分にアンテナが配置されています。iPadの背面は、電波を通さないアルミの1枚板となっているため、一部に電波を通す樹脂を使っているわけです。

 上部の黒くなっている部分には、二つのアンテナが搭載されています。一つは、背面から見て左側にあります。これはGPSアンテナです。つまりGPSアンテナは、前面の3Gアンテナと重なるように配置されています。もう一つのアンテナは右側にあり、3Gアンテナ2です(写真2)。アップルのロゴマークの部分には、無線LANアンテナが搭載されています。ただのマークじゃなかったんですね。

写真1●iPadの前面とアンテナ配置
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●iPadの背面とアンテナ配置
背面きょう体は基本的にアルミ合金で作られているが、中央のアップルマークと上部を切り出してプラスチックをはめ込んで電波が通るようにしている。
[画像のクリックで拡大表示]

このような配置には、どのような考えが読み取れるのでしょうか。

 実際の利用シーンを意識した配置だと見受けられます。手に持ったりクレードルなどに立て掛けたりする場合は、背面のアンテナが使えます。ところが、机の上に置いたりすると、背面のアンテナが隠れてしまいます。その場合には、前面のアンテナが使われることになります。

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