発行済みアカウントは約1億、アクティブユーザー数は世界で数千万。今やメール、インスタントメッセージに次ぐ第三のコミュニケーションツールとして急浮上しているのが、米ツイッターが運営する「Twitter」だ。2006年に始まったサービスだが、2009年に入ってからは日本国内でも人気に火がついた。2010年には民主党の鳩山由紀夫首相が投稿を開始。ソフトバンクの孫正義社長が同社全社員に利用を呼びかけるなど、最も勢いのあるWebサービスといえる。

 Twitterの特徴は、(1)リアルタイムに近いコミュニケーションにも、アーカイブ的にも使えるシンプルさと柔軟さ、(2)クライアントの多様性や外部サービスとの連携のしやすさ---だ(図1)。

図1●Twitterでアカウント「nikkei_network」の投稿を表示した画面
最大140文字の投稿(「つぶやき」や「ツイート」と呼ぶ)が時系列に並ぶ。“購読”を「フォロー」と呼び、購読したユーザーの投稿は集約されてホーム画面に表示される。日経NETWORK誌のアカウントは「nikkei_network」。
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シンプル、多様化でユーザーを増やす

 まず、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などに比べて投稿のハードルが低い。「タイトル不要」で「1投稿当たり140文字が上限」のため、思ったことをメモのようにどんどん書き込んでいける。「IPv6は必要か?」といった技術論から「オフィス裏の弁当はおいしい」などのたわいない話題まで、これまでテキストデータとして定着しにくかった“つぶやき”をユーザーから引き出すことに成功しているのだ。

 各ユーザーが投稿したつぶやきは、ユーザー同士の結びつきによって様々な価値を持つようになる。Twitterでは、ユーザー同士が「フォロー」と呼ぶ“購読”関係を結ぶことで、フォローしたユーザーのつぶやきが自分のホーム画面に時系列に並ぶ。時系列に並んだつぶやきの集まりを「タイムライン」と呼ぶ。

 タイムラインの一番上は常に最新のつぶやきであり、そこをウォッチすればリアルタイムに近い感覚で周囲の話題がわかり、自分がフォローしている人の動静などがつかめる。フォローしてくれたユーザー(フォロワー)を意識して、自ら情報発信するもよし、フォローだけして情報源として利用しても構わない。他のユーザーをフォローせずに投稿し続ければブログのように使え、フォローしたユーザーのみに公開する設定を施せばSNSのようにも扱える。

 柔軟な使い方を後押しするのが、APIを開放して外部サービスや開発者を呼び込む施策である。Webブラウザーからだけでなく、専用のクライアントソフトや、iPhoneなどのスマートフォン、携帯電話から投稿できる。出先などでも容易につぶやけるため、投稿数が増え、その結果さらにユーザーが増えるといった好循環が生まれている。

 ここからは、前述の特徴に従ってTwitterを“解剖”していく。以下では、「シンプルなサービスを迅速に展開するための仕組み」を、次回では「急速なユーザー数の増加に耐え得るシステム」と「多様なクライアントからの投稿の実現」を扱う。

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