前回は、ARの概要を説明し、ARToolKitのサンプルアプリケーションを動作させました。今回は、ARToolKitを使って現在の天気を表示するアプリケーション「お天気ボード」を作成し、その内部処理について解説します。

アプリケーションの作成 - お天気ボード

 今回は、お天気ボードというサンプルアプリケーションを通して、ARToolKitを使ったアプリケーションの作成方法について解説します。お天気ボードは、日本地図上に各地の天気を表示する仕組みをARで実現するアプリケーションです。ボードデザインは、テレビのお天気コーナーをイメージしてみました。

 前半では、開発環境の準備から、お天気ボード実行までを解説します。後半では、発見した各都市のマーカーと天気情報の紐付けや、今日明日のお天気を切り替えるキーイベントなどに焦点を当てたコード解説をします。なお、本アプリケーションでは、天気情報の取得にライブドアが提供する「Weather Hacks」という外部サービスを使用しています。

ビルド環境の準備

 今回、アプリケーション開発にはVisual C++ 2008 Express Editionを使用します。この開発環境は、マイクロソフトのサイトから無償でダウンロードできます。インストール後、Visual C++を起動します。

 ARToolKitは前回C:\AR\ARToolKitにインストールしたものをそのまま利用します。詳細については、前回の記事をご確認ください。

プロジェクトの作成

 お天気ボードプロジェクトを新規作成します。Visual C++のメニューから、ファイル > 新規作成 > プロジェクトを選択します。プロジェクトの種類はVisual C++、テンプレートは空のプロジェクトを選択します(写真1)。今回は、プロジェクト名を「otenki」、場所を「C:\AR」とします。

写真1●プロジェクト新規作成画面
[画像のクリックで拡大表示]

 ディレクトリ構成を単純にするために「ソリューションのディレクトリを作成」のチェックは外しておきましょう。 最後に「OK」をクリックするとプロジェクトが作成されます。

ソースファイルの追加

 プロジェクトが作成されたところで、今回使用するソースファイルを追加します。こちらからotenki.cをダウンロードし、C:\AR\otenkiディレクトリに保存します。

 Visual C++のotenkiプロジェクト画面に戻ります。ソリューションエクスプローラ(左ペインのツリー表示部分)にて、otenki下の「ソースファイル」を右クリックし、 追加 > 既存の項目を選択します。

写真2●ソースファイルの追加画面
写真2●ソースファイルの追加画面

 ファイル選択画面でotenki.cを選択し、ソースファイルを追加します。ファイル追加後、otenki.cを開いて内容を確認します。このアプリケーションは外部サービスにアクセスするため、環境によってはプロキシの設定が必要になります。otenki.cの20行目の、PROXY_SERVERの値を適宜変更してください。

 19  // HTTP接続のプロキシサーバー 例: "proxy.server.name:8080"
 20  #define PROXY_SERVER ""

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら