2010年、“今まで見たことがない”パソコンが登場する。その象徴が「タブレット」。仮想化技術との組み合わせで、自在にクライアントが作れるようになる。「パーソナルコンピューティング」がついに実現するときが来た。

組み合わせ、自由自在

 2010年、ITのクライアント環境には、二つの革新が起こる(図1)。

 まずコンシューマ分野。「クール」な外観と使い勝手を持つ機器が、相次いで登場する。

図1●クライアント環境に起こる二つの革新
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 筆頭が「タブレット」だ。写真立てほどの大きさで、画面を指でなぞって操作する。即座にネットにつながり、タッチ操作で簡単に使える。価格も3万円台からと、手ごろだ。

 アップルの新タブレット機「iPad」が世間の耳目を集める中、ライバルのマイクロソフトは、いち早くタブレットパソコンへ注力することを表明。HPやデルをはじめ、大手コンピュータメーカーが相次いで今年中に製品を投入する。かたやグーグルは、Web利用に特化した「ネットブック」と「スマートフォン」で攻勢をかける。

 新たな機器がコンシューマ市場を席巻すれば、早晩、企業情報システムのクライアントとしても浮上するだろう。安くそして手軽に持ち運べるクライアント環境として、大きな可能性を秘める。

 もう一つの革新は企業分野。柔軟で安全なソフトウエア環境を実現する、仮想化技術の普及である。サーバーやストレージといった企業情報システムの後方支援から、2010年はいよいよ最前線へと躍り出る。

 方式は二つ。端末ごとの仮想マシンをサーバー上で動かす「仮想デスクトップ」と、アプリケーションの実行画面や実行ファイルを端末に転送する「アプリケーション仮想化」だ。ヴイエムウェアやシトリックス、マイクロソフトといった主要企業が、相次いで基盤製品を投入。ユーザー事例も増えている。

 「持ち運びできる(ポータブル)パーソナリティ」。調査会社のガートナーは、物理と仮想の両面で多様化したクライアント環境の特徴を、こう呼んでいる。「今はパソコンと利用者が1対1の関係にある。今後5年で、ハード、ソフト、アプリケーションを好きな場所で柔軟に使える環境が、現実のものになるだろう」。ガートナー ジャパンの針生恵理シニア アナリストは、こう指摘する。

 本当にパーソナルなコンピュータが、ついに誕生する。

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