家電通販最大手のジャパネットたかた。同社における開発言語のメインはCOBOLだ。通信販売で取り扱う商品は日々追加され、客先でのセッティングといった付帯サービスも多様化している。情報システムを統括する星井龍也専務執行役員は、「こうした状況変化に迅速に対応するためには、COBOLの高い生産性が必要だ」と語る。(聞き手は井上英明=日経コンピュータ、写真は林田大輔)

(写真・林田大輔)

メインの開発言語にCOBOLを据えていると聞く。

 2008年1月、基幹システムをメインフレームからUNIXサーバーにオープン化するプロジェクトを開始する際に、「当社はメインの開発言語をCOBOLとする」と宣言しました。26人いる情報システム部員の全員が、COBOLを読み書きできるようにしています。それまでは、COBOLを読み書きできる部員は3人だけでした。

 当社のシステムにおいて基幹となるのは、販売管理システムです。お客様からの注文や、メーカーへの発注、出荷、在庫管理といった通信販売業務の中核を担う仕組みです。ここをCOBOLで開発しています。

 主要なシステムとしては、他に三つのシステムを持っています。EC(電子商取引)サイトと、福岡市にあるコールセンターのシステム、愛知県春日井市にある物流センターのシステムです。システムごとに担当を割り振り、VisualBasic(VB)やC#、Javaといった開発言語やパッケージソフトを使って構築しています。

 ただ以前は、部員は担当するシステム以外に関心を持とうとしていませんでした。当社の業務を知るためには、基幹システムに踏み込み、COBOLのビジネスロジックを理解することが必要です。ですので、当社の情報システム部員は、COBOLと自分が担当するシステムで必要になる言語を習得することになっています。

新規サービスの反映は「1カ月以内」が当然

 当社は、テレビやラジオ、インターネット、カタログや新聞の折り込みチラシなど、様々な媒体で商品を紹介し、1日に1万~2万件の電話注文を受け付けています。通信販売というビジネスにおいて、業務フローそのものに大きな変化はありませんが、新しいサービスは頻繁に追加されています。

 例えば、2008年からは携帯電話サービス会社、イー・モバイルの商品を取り扱っています。このときは、開通工事の状況をサービス担当者と共有して顧客に伝えたり、セッティングサービスのメニューも追加しました。販売数に応じたインセンティブの仕組みも必要になりました。最近の例では、エコポイント対応などがあります。

 このほかに、トライアンドエラーで進めるプロジェクトが多数あります。一つひとつのサービスの規模は小さくても、約3000万件のデータを保持する基幹システムに、それらをすべて反映しなければなりません。

 しかし、サービスを追加するたびに、外部ベンダーに開発を委託して、「3カ月かかります」「1年かかります」ということでは競争に勝てません。特に、インターネット通販は売り上げの3割を占めるまでに成長ており、そこでは1カ月以内の対応が当たり前です。基幹システムも、これに歩調を合わせようとすれば、相応のスピードが求められます。そこで、私が当社に転職した2005年から、情報システム部門による自社開発路線に転じたのです。

 そして、自社開発に慣れてきた2008年1月に、冒頭で触れた基幹システムのオープン化に取り組みました。当時、メインフレームのCPU利用率が90%を超えていましたし、約3000万件のデータをインターネット通販のECサイトからも利用したかったことが、オープン化の理由です。

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