Android旋風が世界に広がる中で,日本でも動きが見えてきた。主なプレーヤは携帯電話事業者を中心とする通信事業者と,一部のインターネット接続事業者(ISP)。Androidをベースにしたスマートフォンや,新しいタイプのエマージング・デバイスを次々に打ち出すなど,Android関連の取り組みが加速している。

 通信事業者/ISPの積極的な姿勢に引っ張られ,日本の端末メーカーも,中国や台湾のメーカーに遅れるなとばかりに開発に乗り出している。AndroidがiPhoneの対抗馬と見られていることもあり,今のところ話題の中心はスマートフォンだ。ただ,組み込み機器への展開も始まっている。

 一方で,日本の事業者によるアプリケーション・マーケットの立ち上げも活発化しそうだ。実際にマーケットが動き出すのはほぼ今春以降だが,そのころにはアプリケーション開発者が夢を託せるマーケットがいくつも出来上がる。Androidの力を引き出し,生かせる土壌は日本でも着実に整ってきている。以下で,国内の最新動向を見ていこう。

携帯各社が次々に新端末投入

 2009年後半から,国内では携帯電話事業者がAndroidに関する動きを本格化させている(図1)。先行するのはNTTドコモ。2010年1月,国内で2機種目のAndroid端末となるソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのXperiaを発表した。KDDIやソフトバンクも,春夏にかけてAndroidの新端末を発売する。

図1●国内通信事業者やISPによるAndroid関連の主な動き
昨年のNTTドコモに続き,2010年にはKDDIやソフトバンクもAndroid端末を投入する。
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「今までとは違う特別な端末」

 とりわけNTTドコモは意欲的だ。山田隆持社長は,「ドコモの中でスマートフォンの販売比率はかなり低かったが,それを5~10%に高めたい。Xperiaはそのトリガーとなる製品」という。

 Xperiaがドコモにとって特別な存在であることは,製品名からも分かる。通常,ドコモの端末は「STYLE」,「PRIME」,「SMART」,「PRO」の4シリーズに分類されるが,Xperiaには,このシリーズ名が付いていない。「スマートフォン」という別カテゴリで販売する。2009年7月に投入した国内初のAndroid端末「HT-03A」は,先進ユーザー向けの「PRO」シリーズに属していた。「Xperiaは,映像や音楽再生のほか,Twitterなどコミュニケーションを楽しめる多機能な端末。部内で大きな議論となったが,今までより大きな枠組みでとらえようと,シリーズ名を付けなかった」(板倉仁嗣プロダクト部第五商品企画担当部長)。

 従来は,携帯電話とスマートフォンで料金プランが分かれていたが,スマートフォンへの買い替えを阻害する要因だったために一本化した。さらに年内には,iモードのメール機能をAndroid上で利用できるようにする計画だ。