2009年7月に正式サービスが始まったデータ通信サービス「UQ WiMAX」。現状の最大の課題は,第3世代携帯電話サービスなどと比べて通信エリアが狭いこと。UQコミュニケーションズはこれを克服するため,急ピッチで基地局の整備を進めている。2010年3月末における基地局の設置予定数は,従来の4000局から6000局に増やした。

 これに加えて,通信エリアの拡充に役立てるための新たな手段も投入する。京セラと共同で開発した小電力リピータである。同社は2009年12月18日,総務省に免許を申請しており,2010年3月までに導入するという。

 リピータとは,通信エリアを拡大するための電波中継機のこと。同社が用意するリピータには分離型と一体型がある。分離型は,基地局と通信する装置「ドナーノード」と,WiMAX端末と通信する装置「サービスノード」に分かれている。ドナーノードは屋上や窓際,サービスノードは実際にユーザーが利用する場所に設置する。地下街の店舗やオフィスでの利用を想定しているという。

 一体型は,窓際など基地局からの電波が受信できる場所に設置して,屋内に電波を中継する。オフィス内や住宅での利用を想定している。このほかに,列車内でも通信できるようにする鉄道車両用リピータもある。

 2.5GHz帯という高い周波数の電波を使うUQ WiMAXは,屋内に電波が届きづらいと言われるが,低コストで導入できるリピータを使うことで,この弱点を補える。利用料金や設置サービスの提供形態は未定だが,オフィスでも屋外でも快適に通信できる環境が整えば,企業のモバイル通信用として導入が加速するかもしれない。

出典:日経コミュニケーション 2010年2月1日号 p.81
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