ITベンダーは「新たな成長路線への回帰」に備えたビジネス戦略を策定するタイミングにある。IT市場は“視界ゼロ”の中にあるが、景気が回復してからビジネス戦略を策定し始めていては、すでに手遅れということになる。IT市場は景気後退期の中で静止しているように見えるが、成長路線への回帰に向かって動き出している。

 ガートナーでは、「IT 投資Trend Index」という手法を用いて、IT投資およびIT市場の動向を分析している。IT 投資Trend Indexは、ユーザー企業におけるIT投資の姿勢を示す数値だ。プラスに振れるに従いユーザー企業のIT投資は積極的になり、マイナスに振れるに従いユーザー企業のIT投資は消極的になることを意味する。

 2009年5月に発表した日本のIT 投資Trend Indexは、マイナス5.3という非常に低いレベルにあった。ガートナーでは、景気後退期において、こうした数値が一番低い時点(谷の局面)は、ITベンダーが新たな成長路線への回帰に備えて、ビジネス戦略を策定し始めるタイミングであると考えている。

 ITベンダーは成長路線への回帰を想定したうえで、どのような市場・分野に新しいビジネス機会があるのかを見出す必要がある。例えば、ITベンダーにとっての成熟分野である大企業ユーザー市場に対し、SMB(中堅・中小)市場が、新たなビジネス機会を創出する可能性がある。

 クラウドコンピューティングやデータセンターのように、台頭しつつあるテクノロジ・応用が、本格的に成長拡大し、新たなビジネス機会をもたらす可能性もある。グリーンIT・持続可能性に代表されるような、ITと環境を組み合わせた視点で新たなビジネスの開拓を期待することもできる。

 以下では、ITベンダーがビジネス戦略を策定するための重要項目について、専門アナリストが解説する

【日本のベンダーが生き残るためのシナリオ】

 日本のベンダーやインテグレータが、生き残るために、次のポイントを提言する(図1)。

図1●日本のベンダーが生き残るためのポイント
(出所:ガートナー)
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